いちき
0
8
投稿数
110

よろしくお願いします。Xでは柚ルリです。

梅雨なかば短き晴れを伝いきて追い越してゆく子らの声たち
6
閉じてゆく長いひかりを見送れば 柔い月から受け取る名残り
4
太陽の当たるホームの白線が塗り替えられてもう夏がくる
9
紫陽花のリースが写るカレンダー 先を走って追いつけなくて
6
特急と並んで走る普通車が勝つかもしれず足を止めてる
11
ツイッター並ぶ饒舌眩しくて みんな無言で書いているのに
11
SNS いくつも名前使い分け それでも残る自分というもの
7
ゆっくりと低空をゆく飛行機の窓から見える我もジオラマ
9
公園の椅子だけが知るあの人の真顔を柔い若葉が隠す
9
冷たさを惜しむため着た長袖の一番上のボタンを外す
10
降るまえに四角に開く傘をさす少女は残る時間知ってる
4
熱燗を頼んできみと近くなる 皐月の寒いなんかよい夜
8
晴れるとか雨で気温が下がるとか天気の話でどうにか平和
9
満月を春の終わりの雨隠し このあたりで切り上げるもよし
8
駅までを疾走していくワイシャツにひと月前の制服を見る
7
クッキーにのってるチョコが溶けだした指をぺろりで、夏迎え撃つ
10
雨の日に出そうと決めたうたがあり すすむ桜にきけば水曜
8
ドロップの缶から転がり出る蜜柑 何かを連れてしりとり終わる
7
枝々に花揺れる夢見たあとでダブル主演のビール現る
6
雨が降る 世界を私と遮断して護るかのような雨が降る
9
気がつけば別れのうたを詠んでいる 桜のはなの柔さに甘えて
6
カレンダー四月に変えて桜色つくられた春さえ動く、春
3
あたたかな春の陽のなか立ち止まる 季節はたった二週間で逝く
7
暖かくなると見せては寒くなり春は焦らしてこの町にくる
14
五分だけ寝させてくだいあと五分春の空気に脳は溶けてく
7
月かわり空も光もあたらしく終える頃合、弥生朔日
9
入門書いくつか読んで結局は感性かとなり我にないもの
7
花冷えというには花が足りなくて冬の中にて思い出す、ふゆ
8
ファミリーやシェアと書かれた菓子を持ち弾けた柄もひとりで食べる
4
長針が五時半少し過ぎていて くしゃみを数えてみる夕方
3