発泡スチロールを砕き お骨に見立てる 今日のままごとあそび
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雪にならぬ雨粒が落ちる 溶ける様が詩になることを夢見て
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糖分に いや待てこれは 会う君に 話の話題に ミルクキャラメル
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目立たぬとも 散る時に魅せ 花爆弾 風をまといて 届け彼方に
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鈍色の空と脳から成るうたを残らず毟るヤギになりたい
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人減らぬ ステイホームが 効かぬ日々 消えそうにない コロナの恐怖
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月影と ラング・ド・シャの足触 まだまだ遠い天竺までは
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天秤に命とかけたオピオイド おやオピオイドが二グラム重い
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雨ですね 空にお日さま 見えないが そこに居るのは 確かであるのに
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近いうち君に粗末に捨てられよう 望むところと虚勢を張って
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「黒姫の民話」の中のコスモスに見惚れる少女恋にこがれて
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級長の僕はポケット手を入れて畳まれているバタフライナイフ
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見てほしいシチガツハツカ#部屋の明かりを月と呼ぼうか
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分からない もう何もかも 分からない 正しい歌も 人の心も
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5円玉ないから2人で1枚の10円玉に願うしあわせ
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唇を強く噛みつつ耐えた今日 風呂で溶かそうアヒルと共に
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曝け出す勇気と覚悟出来ないなあ出来ない事はこころに仕舞おう
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頰凍る一年ぶりのスキー来て疾風ハヤテで滑ろ吾は少年
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共に見たい 月は雨に 隠れていて 逢いたい君の 姿も見えない
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窓を背に伸びをした後あくびする君に恋する理由わけはいらない
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こんなにも大きくなってしまったし僕はあなたの目だって撃てる
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ともらない蛍光灯を見上げてる 彼女の全てが僕ならいいのに
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夕時に 今日をいい日にするために 夕暮れ色の紅茶を淹れる
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彼のつまらない授業もオンラインには載せなくていいペテン師
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募り募る もう今すぐに この想い 爆ぜてしまえよ 砕けてしまえ
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午後三時 二番ホームの 君のもとへ 着く頃にはもう 宵も暮れくれ
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待ち合わせは青山ブックセンター どの棚の前かにより帰る
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猫のように膝に抱くテイクアウト あたたかなのに命ではない
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守られるほどやわじゃないだろうけど 守ってやらんと、ありゃ壊れるぞ
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目の前の冷めていくコーヒーよりも書かねばならぬ別れの手紙
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