慈しみ 育てた我が児の 亡き骸 拾う姿は 火鉢かな
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何あった人形劇で手首だけ「冒険に行こう」と拳上げ
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うっかりと飲むとこだった 葉っぱかと思えば 羽虫がお茶に飛び込み
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思い出と呼ぶには痛い夜だけを挟んだ本も捨てずに生きる
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我慢とか折れるを選ぶこの私あらわにさせる相手の機嫌
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病床で歌う「ふるさと」ゆるやかに かのやまの忘却わすれゆく人
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車内にて若き日の曲流れきて日暮れ灯ともる頃も麗し
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風凪ぐ夜 マスク外して深呼吸 お疲れさんと半分の月
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お別れは 寂しいものと 思いきや 相手はさほど 気にしないもの
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さよならを カッコよく言う 練習し 笑顔でいれば 死ぬのもいいか
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生まれたら 死んでゆくもの 当たり前 人は命に しがみつくもの
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百年も アッと言う間と 思うほど 人の一生 風の吹く如
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いつまでも 元気でおれる わけもなし 目が見えるだけ 感謝感激
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右目には 眼圧下げる 器具があり 気味悪いけど 時々見てる
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さすが妻 夫の癖を 先読みし 要らぬの問題 未然に防ぐ
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仕事とか 職業とかは なくて良し 生きてるだけで 楽しくないか
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久しぶり 少し顔出し 定年の 退職前の 有休消化
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愛語なく昏くなりたる室もはや孤独に甘えられずおり
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暖かき日差しに和む群雀暮るる速さに冬を知るらむ
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お ち  る    お        ち                る
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マッチ売る少女が目にした幻影に格差社会の現代いま、重ねる
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お昼前 給食室の 横の道 いい匂いだな 腹減ってきた
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大人ぶりブラックコーヒー飲む天使 仲間が見てるあとには引けぬ
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春景色 見据えて集る言の葉が 焚火向き合い季語を温め   
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雨の日に手帳に貼った付箋にはほんとの気持ちピンクのペンで
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欲してもあなたの愛は買えなくて返却されるわが愛売れず
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数学は難しくないと言うのなら私の享年求めてみてよ
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ねこたちに 両手を上げて「ワー」してみる キョトンとしてる なにちてるの?の顔
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レジ10円小銭がなくて「ポイントを使えますよ❣️」と笑顔うれしい
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息切らし 薬局のデカ袋 持ち帰る ポイント5倍に釣られちゃったよ
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