三度目のスヌーズ鳴りぬ僕じゃない僕の意識に起こされて立つ
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木の蔭に在る白き椅子ひとよりも蜘蛛と羽虫と西風を呼ぶ
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炎天をより光らせてゐる石の色の伝ふる風と波の音
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窓越しの庭の緑を逆光にアンスリウムのシルエット立つ
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日傘差す少女が一人駅の前誰かの帰りを待つ炎天下
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早起きをしても何にもやることないだから短歌を書いてみている
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早起きはさんもんのとく言うけれど確かにとくか色々できる
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朝三時起きてやることなんもないそうだぶるぶる乗ってこよ~っと
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よしおかりほ顔が変だよそう思う俺だけですか失礼しました
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あいつはさ超ばかだからかける言葉見当たらないよかわいそうだな
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こんなにも想ってゐるのに振り向かぬ貴方が不幸になりますやうに
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ぬばたまの夜の窓辺を我がものに何を見やるや檸檬の瞳
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健康で文化的な最低限度の生活か~ついつい見ちゃう
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恋人を任意のはこに代入し すべての像に聖別を付す
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ビールよりコーラをとった僕ですよ筋トレをしてアイスを食べて
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「ハマナスの実に近づいちゃいけません」 毒蛾と毛虫を殺しながら
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どんなわたしになりたいか わからないからぐらぐら揺れる、恋みたい
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鈍く光る銀色のかたまりよ 夏の隙間から零れ落ちて
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ミネルヴァの梟を待ち幾星霜 ふけて往くのはうつし世ばかり
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不合理さを問うカラスは飛び去った ヒトの我執がしゅうに潰されたのだ
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名も知らぬひとにもらったレコードの恋を抱きしめデイ・トリッパー
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恋文は魔弾の射手の7発目 君の心の王国を討つ
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したいのはしてはいけないことばかり それを殺して消し去れたなら
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全天はスタンピードになだれ墜ち プランク長の結晶となる
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私以外 あなたと私を知らないの 相対的に私が絶対
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古の塔の瓦礫を手に取って神になるため英語を学ぶ
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何者でもないわたしを生きること 焦燥・加齢、解放となり
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夏が死に秋を殺して冬と死ぬ 春もそぞろにまた夏を待つ
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百年のラブ・ロマンスのゆめをみた 君の寝顔で醒めるだろうけど
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君の世に僕はいらないでも少し あなたに会いたい、会いたかった
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