雨の日は家から一歩も出たくない 布団からだって出たくないんだ
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29年生きて初めて気付く事好きな季節は秋のさびしさ
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誰もいないオフィスで歌を口ずさみ寂しさ紛らす日曜の昼
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春の毒 夏のざらつき 秋の朝 冬の愛しさ 足りない足りない
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にんじんを愛がなんだと角切りにしてコンソメのスープをつくる
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黄色くて「幻の花!」と喜んで 図鑑開けば「ペンペン草だ」と
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スカートを強要するな寒い冬 知恵を出しても却下をされて
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土偶よとタイツ履く人笑う冬 スカート下にジャージ履く知恵
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目合はせて 指触れ絡め 頬寄せて ひとひらごとに 重ね重ねて
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逢ひたしと 夢に下燃ゆ 夜を越えて 朝陽に染むる 紅き唇
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湯たんぽがいとしい季節になりました 温い布団に飲み込まれ冬
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澄みわたる 空に燦然たる星と まがへし飛行機の灯火よ
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お金しか拝めなかった貧し時に無くした年月愛おしく来る
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新しい紙の匂いとインクの匂い これがあるから生きている
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40円足してキャラメルラテにするマクドナルドで今日も豪遊
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‪新しい人ほど進化しているの僕らの過ち下敷きにして‬
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ラーメンのスープが恋し冬の夜 小さな幸の 染み込むメンマ
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優しさは時に素敵な矛となり有象無象の心を抉る
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君はもう寂しくないと言ったのにどうして私泣いてるんだろう
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‪森ガール似合うと言われ置いてきたロリィタ服が思い出される‬
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あの人の夢を見ました朝起きてシャワーを浴びて婚活へ行く
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久方の 小さな晴れ間 ありがたく 伸びた下着をせっせと干して
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うつし世のほとりにいこふ水鳥の羽交ひにあはき冬の日の照る
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存在を暴かれ断罪される人 石を投げながらニヤニヤする人
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ぬばたまの闇に眼玉を光らせて荒れ野と化した故郷を想う
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私には価値はありますか冬の空 何を言っても消え行く泡に
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‪次々にポテト吸い込むくちびるが泣かないようにもっとポテトを‬
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生ハムを ぬぐってねぶる 手ぬぐいが 置き去りにした ザリガニを売りに
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生きるほど無理だと思うこの世界 拓いてみせる生きる希望を
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はじめての孤独を告げるまだ暗い午前の居間は青に充たされて
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