幕上がり洪水のような光浴び輝く舞台を 夢見ていた けど
1
置き配を味気ないとは思えたがインターホンの声は朗らか
0
ぐずる孫引いて歩いて誘拐に間違えられた俺の面相
0
公園でよその子見てたら母親が「変なオッチャンいてるから帰ろ」
1
神主さん好きな料理は磯辺揚げなぜなら海苔と揚げるからです
1
風立ちぬ明けない夜はないのだと昇る朝日といざ生きめやも
0
小金がある独身友は土瓶蒸し コーンスープで暖を取る吾
0
盤面に光る一手を探してる 棋士の瞳は空より澄んで
0
朝焼けを背に整然と並ぶ鳩 そこに生への活力写り
2
エシカルな消費を心がけているSHEINで買わず美少年を消費する
0
恋慕う 君の穢を知るたびに 愛し悲しき これも恋かな
6
実体としてのあなたに興味がない、のを隠しつつ握手していた
7
叫びたい言葉、想いを流し込む 白湯と睡眠導入剤とで
4
知り合って四半世紀の友連れて  三十年の友と交える
0
「寒いね」と両手でココア包み込み 何本目だろう見送る列車
5
休日に君が焼いてる食パンの 匂いで起きる幸せ齧る
2
先に立つ君の面影見失い 心の隙間北風吹いて
1
君が死ぬこともあるよね そんなこと含めて全部許せないよね
5
誕生日 自分に初めてプレゼント三年ぶりの文楽に行く
1
風呂掃除子守り縄跳び晩御飯 今日の私に敢闘賞を
5
キィキィとタイヤ擦れる音がする 「猿がいるの?」とベルク屋上
0
今日の敵カーディガンを振り回す ジュンイチイシダと命名したり
1
串団子上半分を子が食べて下を担当山賊親子
0
君のことをわからないって、思うのが悲しいだけだ ただそれだけだ
0
太陽を目掛けて伸びる葉のように光この手にするため背伸び
2
あの二人初恋同士だったのに そして別れたはずなのに
0
「私より長生きしてね」呟けば欠伸でこたえる温い毛玉
2
喫茶店わたしはアイスきみホット同じ温度にぬるめる時間
0
これどうやって映すの。授業開始、生徒に教わる教師
0
別れ際握手交をわす友と友風吹き荒れ砂埃散る
0