日曜が終わった直後の真夜中は馬鹿みたいに静まり返って
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ラジオより流るるハモニカ週末のスローテンポを遠退とほそけてゆく
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冴ゆる雨に打たれもみづる南天の葉に虹の綾 摑む能はず
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すでに街はもみの緑に神聖なる赤を着飾り孤独を待ちぬ
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望もうと望まざるとに拘らずあなたと私これでお終い
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ひとりのサッシにひとつ熊毛虫もこもこもこと生き急ぎたる
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世継榾よつぎほだほのかに揺れて『████』なる暦は見えぬ落とし子を待つ
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あの頃は 公衆電話 どこででも よく見かけてた 探さなくても
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ガミガミや ゴロゴロの音 大嫌い 僕の心が 縮んでしまう
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初めては 緊張するよ 誰だって 失敗だって しちゃうんだから
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わたつみのいろこの宮に降りそむるときは色かほる有機物デトリタスたち
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君と僕 間に降り積もったのは 言葉 言いよどんだとき 記憶
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夜歩く知らない街は喧騒に膜がかかりて限りが見えず
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右頬のほくろは左頬にあり嘘つき鏡と日日対話する
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初霜の白きを雪と見まがひし雪知らぬ子の初雪の朝
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星と星つながり歌の友となり夕の落書き瞬きそむる
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思いつく言葉を重ねて書き連ねまるで春の夜のうわ言みたいね
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滲み出す街灯のが飽和して夜の向こうの君を断ち切る
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あのときに 涙流した その曲は 今ではフッと 笑える記憶
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これからも どんなに辛い ときだって いつも一緒よ そばにいるから
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憧れの 制服を着て はしゃいでる 私は大人 コスプレパーティー
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傷ついた 君の心に この僕の 愛を煎じて お持ちしましょう
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愚痴も弱音も吐けないで 泣けもできない僕よ 撃ち抜け そこを
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近くまで来たから なんてヴィーナスの造形をした言い訳をする
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色の字の男女の愛をかたどるとふ本質のになにいろ置かむ
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水の星に生まれしさがを宿すゆゑ魚の泪の天空に見ゆ
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みづからを聖母に仕立て眠り落つ無花果の乳房まろく懐きて
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流星と友になるため旅に出る星降り坂のその向こうまで
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山々の木々の紅葉 茜色 夕陽重なり燃え立ち やがて
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歯ブラシが 一本増える 喜びに 我いそいそと 買い物に出る
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