朝焼けに連なる山のシルエット日の出間近の空気はすが
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世界からわたしが1kg消えるたび褒められるのはどうしてだろう
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月影つきかげすがしきよる自転車じてんしゃりてものをしに
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踊ったり泣いて喚いて走ったり ひとつになんかならなくていいよ
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何かしても無 何もしなくても無 虚無ばかりあり雨の休日
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人に眼を見られないようにするための前髪だとかサングラスとか
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桃はまだ高くて買えない目の前の白くて丸い膝裏を見る
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息継ぎもせずに人波掻き分けておまえのとこに帰りたいだけ
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猫のない世界線でも平然とひとは暮らして猫だけがない
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香水は大人の気配妖しくてでもあなたには嫌われそうで
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生命の種を手にいれ水をいれすぐに孵化したステゴサウルス
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ひとのない東京駅が倒壊し百年が経ち瓦礫から花
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僕はハリネズミじゃないので フラミンゴ きみに打たれるわけにはいかない
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夜の街あなたの手だけ本物で後はすべてがおためごかしだ
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「傷ついた」? えぇそうでしょうね、でもこれは ちょっとこれは、あんまりじゃない?
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踊り場の ああ、見て下さい 彼女こそ 僕を殺した シンデレラです
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「あれは虎、あれは狼」世界から未知が消えゆく幼子おさなごが泣く
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破損したデータの中に散らばったあなたの色や声や思い出
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ギリシアの哲学者だけハブられた世界会議に俺はいない
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銀河から忘れ去られた銀でない星の行方は南アフリカ
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緩慢な弾の射線に躍り出てあたってみせた十九のころよ
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首筋をぬるりと伝う汗だけが私の生を示しています
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見つめたい声を聞きたい愛されたい今までそれは他人事だった
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公園のブランコ漕いで懐かしむ沈む夕日を追いかけた頃
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剣もといペンがおぼえた血の味で筆まめを知るサイコメトリィ
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湯上がりの 側を通りし 君なれば そっと抱き寄せ 黒髪をかぐ
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息を止めてプールの底から見上げた空のきらめきに似ていますね
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第三次大戦は既に進行中 フリックフリックミサイル発射
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天国にないもの教えてあげようか?嘘と苦痛と小説と詩と
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君がいるからもう背筋は伸ばせないままで生きるよ多分きっとね
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