Utakata
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かるぽ
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陽だまりに猫が二匹で若草の布団の上で春をよろこぶ
17
靴底を擦り減らしてるスニーカーで梅の花びら踏みゆけど春
11
淑やかに絹の香りの漂へる花の御紋の女雛の
唐衣
(
からぎぬ
)
8
しあわせのひとつひとつを思い出しこころ湿らす花曇りの日
11
梅が
枝
(
え
)
に雪のふるのをながめつつ寒くはないかと面影に問う
11
僕のこと「優しいね」って言うけれどそれは錯覚、ほらひねくれてる
6
空に手をのばしてごらん今夜ならたちまち
月
(
づき
)
に祈りも届く
13
人はみな心の裡にほとけあり
無明
(
むみょう
)
の道をてらすともしび
5
こおりみちひとり踏みゆく足音が空に響いて青白き月
13
みな底に泥があるのはあたりまえ
水面
(
みなも
)
はひかる精一杯に
7
たとえ君自身が認めなくてもさ、僕はその頑張りを褒めるよ
11
家々は寄り添いながら潮錆びて祖父母のような由比の夕凪
13
春恋ひて
千々
(
ちち
)
とうちなく
黄鶺鴒
(
きせきれい
)
汝もひとり枯木に宿り
6
幸福な時間のあとの寂寥は夕陽を浴びた山かげの深さ
7
あかがねの夕陽に染まる横顔にうろたえる僕にも朱がさして
7
たおやかに白く
佇
(
たたず
)
む水仙よひとりぼっちの冬にも愛を
11
刃物にも似ている暗さと煌めきの夜より冷たかったあの言葉
5
さびしさは涙の海の深海魚ひかりも声も届かぬところで
12
白富士は
足下
(
そっか
)
に雲を靡かせるドレスの裾のパニエのように
8
「じゃあね」って
微笑
(
わら
)
って告げて帰り
路
(
みち
)
われ一人用の
表情
(
かお
)
に戻れり
17
焚き上げの火の粉が昇りゆきたれば龍の鱗の光となりぬ
11
歳末の夜の長さをいいことに睦み続けるキスも長めに
7
新幹線 夕陽に染まる年の暮れ輝く笑顔の子らを乗せゆく
6
一歳
(
ひととせ
)
の煤を払いし大そうじ積もり積もりし想いも祓え
8
その人をじっと見つめて祈ることそれがどうやら愛に似ている
8
年毎に散りゆく花を嘆いてはあの恋を思い出すんだろう
6
聖夜とか花火のときも我ひとり音だけ聴いてやがては眠る
8
シャボン玉のような儚さで君が漂っていることの
愛
(
かな
)
しさ
5
水彩の青の清けき冬のそら遠くの富士が近くに見える
10
まだ僕は今日という日に納得ができていなくて画面を灯す
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