死体、君たちだってあんなに尊いのに、それを見る僕ときたら
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筆箱から取り出す魔法のステッキ 書けば描くほどそれが私だ
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シャボン玉の色を三十一字で歌って もうすぐ春風が吹く
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ショベルカーに壊される門柱 街の新陳代謝はこんな風に
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体育館のステージは空っぽで私の青春は黒版の色
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どうせこの地上は今日も元気だし 別に今羽根つきしたっていい
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有限のカナリアの声分水嶺次は言わせてくれますように
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手の甲の知らないうちにできた傷 牡丹の赤と比べてみたり
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青栄えのしほに干さるる紫陽花の傍辺に咲みし水仙の花
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スマホ見つつ街に群れ為す食べログの星に吸い寄せられてく兎
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人はなき浜に律儀なやぶつばき落ちては鳴らす琴引の沙
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あと二日 私の武器は 自信だけ やるだけやって 嬉し泣きしよう
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サヨナラと言う君の笑み美しい誰かが言ってた散る桜の木
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沈黙の長さが2人を感じさせるいつまでも続け早く終われ
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静寂が二人の間にやってくる頭の中がぐるぐる回る
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仕事中 画面をじっと 見つめてる 疲れた目には ホットアイマスク
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元気ない 君の顔見て プレゼント 私のおすすめ 美味しいマカロン
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呪ったり罵ったりの言の葉もさきわえ路傍のよもぎほどには
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君の部屋 茶色い箱で 埋まってる わかってた。わかってたけど。
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発車のベル 近くて遠い 一メートル あなたの前では 笑顔でいたい
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寒さ耐え 車に乗ると 目の前は 氷が張ってる フロントガラス
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あかい空背負ってきみが振り向いた シャッター代わりにまぶたを落とす
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マフラーに六花が咲いて息で溶け昼の白月おとなしく消ゆ
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幸せになってねなんてずるい君幸せになるね息が白い
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入口のみ消毒液は設置され客が持ち込む前提である
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枝先に止まるウグイス湖の雨寒きにも見に行く私
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笑いたくなければ笑わなくていい自由の主張としての無表情
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明日から二分の一の呼吸だけになる部屋ネクタイ曲がってるよ
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雪は春の足音を吸い取って 君の体温だけが移った
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「ごめんね」という感情と闘っていた 君のこと見ているつもりで
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