原形を留めないほど破砕され地表へと降る夢の残骸
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恋人が後ろの席でくしゃみする 悪口だけ言わないでおく
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壮大な旅から戻りましたよと茶色のマズル誇らしげである
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雨の無い六月でした織姫は少し多めに肌水をとる
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なんだっていつも半分引き受けて「サラダの皿だ」とわらかす人よ
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死んじゃった金魚のお墓の植木鉢 君の小指をそこに植えてみる
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自分以外、幸も不幸も他人事 勝手に生きて勝手に死んでね
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ただ文字を31字当てはめただけの短歌は詠みたくないな
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秒針の几帳面なるつぶやきの気になる時と気にならない時
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此の色をとどめておきたしあぢさゐの清らで淡き青を心に
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淡青は詠み重ねても詠み足りず今日も再びあぢさゐに逢ふ
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偶像と 課金と宗教 自殺より まず傘が無い 買う金が無い
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風鈴を自転車と聞き違え、ひんやりではなくひやりとする。
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シャッフル再生ボリューム上げるこの曲がなければきっと死んでいた
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いぢめるの?いぢめないよぉ。問われると でも、いぢめたくなるのは何で?
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川縁かわべりのベンチに座り 曇天の風を浴びつつ 仮面を剥がす
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「人生はそんな楽しくないわよ」とマツコ会議でマツコが言った
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水枕頰の冷たさひんやりと独り痛みに耐える私へ
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休日は頭が痛い 決められた用事がないと僕はダメかも
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Dinner dinner, chicken dinnerと云いながら サラダチキンを啄んでいる
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熱圏の縁よりくだる大気柱 頭蓋の底に踏み込んでゆく
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あずきバー ボリボリむさぼる 今頃に 君はフライを 取ってるのかな。
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銀管を歩き集いしマテリアル おれからだかたちをつくる
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青空に向けて 翼が人の夢よしなしごとを詰めて飛び立つ
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降り注ぐ雨粒弾く なまやかに輝く君の白きかいな
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手に持った世界の欠片かけら噛み砕き 胃に流し込み同化してゆく
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ぜてスプリングエフェメラル沸騰し破調もめでたき鴬の山
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新聞歌壇にられし名前を辿り読みホームレスは何処へ、囚人は何処へ、今
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他愛もない恋愛漫画ばかりなりアプリに喰われた私の時間よ
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隠れ家のごとき書肆にて購いし初谷むいの歌集に付箋す
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