お前など誰が見つけてくれようか  隠してきたのは自分だろ?
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見せてきた 全てが僕の一面で 嘘などありはしないのに。
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喜びも 悲しみ全て嘘ならば 私が見てきた 貴方は誰なの
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あなたはなんでも過去形で話すよね 深夜の公園の水飲み場にて
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透明なテーブルの下にディスプレイされている君の手 静脈
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元恋人の匂いになる柔軟剤 マツモトキヨシの右三段目
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繰り返し見る夢わたし死んでいるあなたの涙が見たいばかりに
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君の歌が力をくれた だから今 「生きろ」 と言える僕でありたい
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いにしえの危険思想の一枝がそっと支える「福祉」もあって
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憂鬱を文字で曇らす夕方に そして日は死に、幸せが去り
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今までの 生きた道すじ 弱きもの 光とともに ひとすじの影
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カフェインでしか許されない夜がある 素敵な暮らしの強い副作用
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陽だまりに傷つくような春もあるふるえていたのはきみの身体か
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すきま風 寒い心に しみわたる 人の時間と ぬくもりの日
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あの子だけ明朝体で喋るから好きになれない映画に似てる
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穏やかに笑おう君とただ一つ水仙にかつ方法だから
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薔薇色のアイライナーを刻み込む〝あたしが世界でいちばんきれい〞
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「いつか、また」 そっと封する言葉たち いつか があると言えるやさしさ
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首吊りの縄のおかげでかろうじて潰えることなく息をしている
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ひとりでも生きていくって決めたから 決めたからなに? 決めたから生きる
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中指の 先にともされ あおきひかりはかげろうのなか 思ひ出に
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目隠しをされているので仕方なく舌でおしえるさよならの味
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おそらくは 拒まれない とわかってる でも届かないのも知っている
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少女らの「恋って何?」 の問答に 「愛されたい。よ」 と歌う十字架
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焼き上がるパウンドケーキの傷口に 歌を少々染み込ますなど
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時間外労働反対!コボちゃんも夜に読まれて眠そうである
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女の子らしいね、だって。 あなたって愚図でかわいいほんとにかわいい
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夜、赤い11ミリに火をつける指先ばかり思い出してる
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また明日、また来週、また来月、また来年も一緒にいようね。
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嬉々としてあなたが語る内容は、私をいつも置き去りにする。
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