「いつまでも」なんてあるわけないのにね。 でも今がずっと続けばいいのに
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難しき専門用語説きほどく声キラキラと冬ざれに射す
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噴水が上がって 見えないきみが言う 「2月になったらザアザアザアザア
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咲かなかったカーネーションは銀色の夜のどこかで幽霊になり
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毒殺を期していたのに下流ではほどよく薬に薄まったとか
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アルバムの写真が途切れる瞬間は足跡をつけたいほどの白
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おすそわけ 友にもらった 梅干しは とても酸っぱく 口をすぼめた
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透明の グラスにそそいだ ソーダ水 弾けて消える 炭酸の泡
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五分おきに鳴り響く電子音 昨日の自分に舐められている
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朝弱い 私にとって 救世主 明日も助けて 目覚まし時計
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冬星座 手を継ぐ姿仰ぎ見て 逝く人思う いずれまた会お
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極太のペンの四角い断面の縦か横かは私が決める
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朝だなとつむったままで言う君の 肌が綺麗で顔をうずめる
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夕まぐれ 昼と夜とが溶ける空 しんしん光れ 冬の三つ星
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あたたかいあなたの声はみぞおちに 気持ちがいいわ これは恋だわ
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かっこいいつもりか黒のマスクするヤツと僕にも同じ雪降る
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背の高いあなたの全部を焼き付けよ あえて二、三歩後ろを歩く
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ああ、指がほどけてしまったもうこれできみとは最後会うのも最後
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ガラス玉 中には気泡 ふわふわと まるで一つの 世界のようだ
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太陽が地球を呑み込む日のことを想像できてしまう幸せ
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あの人に愛されたかった顔をして歩くのだ この横断歩道
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あと5分 あと1分を繰り返し 大事なものを失った僕
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バラバラな「きらきら星」が響く街 買ったばかりのワンピースを着て
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恋愛をしたいしたいとキスする口からでるthrow away
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つぶやきたい さんてんいちよんーいちごーきゅうに君の隣で永遠に
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相棒はコンビニの前にあるポスト おはよう、今日は寒いらしいね
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死体、君たちだってあんなに尊いのに、それを見る僕ときたら
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筆箱から取り出す魔法のステッキ 書けば描くほどそれが私だ
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シャボン玉の色を三十一字で歌って もうすぐ春風が吹く
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ショベルカーに壊される門柱 街の新陳代謝はこんな風に
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