幾度となく殺した男の顔が今 鏡の中で微笑んでいる
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釣り針に小さなエサをつけている時は器用に見えていた父
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結婚が五年契約だったなら 二度目の更新はかなり悩むな
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乳呑み児の指折る音をアラームに 首をもたげる月曜の朝
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キーボードを時折たたく手の甲の 滑らかなるを飽かず眺めてる
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時も空もあはひにありて妙となり人のあはひを濃く薄くする
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転がらず程よく止まる意志を持つ六角形の鉛筆の性
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雨上り淡青色の星屑をなほちりばむる額あぢさゐかな
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音の無き時雨に濡れてあぢさゐの淡青の色みづゑとかはる
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百万のひとごと寄りてひと燃やす 死蝋で正義灯されている
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雨降って固まる地面もはやなくコンクリートを滑る雨粒
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生命のみなもと求め探査機は薔薇色のイソギンチャク潜る
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床下に今夜も死んだ母の這う音が聞こえる安堵して眠る
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ヒヒヒヒヒ……指名手配犯を見ました。自分で自分を通報してみる。
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君といた頃伸びた爪を保管した瓶に詰まった甘い思い出
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天の河逢えずとなれば地の河もと 願う二人か橋よ落ちろと
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空間も事象も時ももろともに夢にお別れ さらばささらば
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赤色にかぶりついては種飛ばし 汁付きの手をすする昼過ぎ
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ビニール傘「そらみたことか 曇天から 君の怨念が降りだしたぞ!」
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星ほどに 輝き放つ 街の陽は 星より綺麗な 夢で溢れる
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雨上がり 道路が一息 この匂い いったい何を 食べていたんだ
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雨は降る、ことごとく降る。窓が濡れていて、食欲はあるけどないな。
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その日ごと見つけた夜の縁に染み輪郭を取る野菜生活 
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まだ溶けぬ罪の飴玉口を刺す 二個目チョロい女だを入れるあなたにすがる
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君に送る 愛のキャンディー並べながら もう殴らないと君に誓うよ嘘です!この男は嘘をついています!いつだってそう言うのです!
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木の間より青空の色たしかむるうた曜日@ことのはの森
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さんざめく文字の繁みをかき分けて輪郭の無きことのは拾ふ
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の切れ味、それと自分は信じられる 不確かな世のすべてのまぼろし
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キツネ目の女のわたを切り裂いたナイフのやいばはもう温かい
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白皙の悪夢がきみを抱くだろう 痣つくる火がぼくの優しさ
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