初夏の街路樹蝉の声 寄れば大鳴き恐れ戦く
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今やもう定番合コンさしすせそ 私なら「さ」は「サラダいる?」の「さ」
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賞味期限あと一日の牛乳を消費するため買ったフルーチェ
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ナゲットの15ピースを独り占め 案外非リアも悪くないね
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コーパスをみそひともじに追い詰めて 逃れた音も抱きしめている
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コメダにてパソコン持ち込みビジネスマン中はソリティア仕事しなさい
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さよならも言えず死ぬのが怖いのでドラゴンボールすこしください
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遠き日に 見上げ育った 父の背を なぞりこそすれ 未だ及ばず
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蓋開かず からんころんと ドロップ缶 今こそ分かる 薄荷の嬉しさ
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蜂蜜のイデアのやうな三日月が地球照をふちどるマジックアワー
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おちてくるおちてくるそらおちてくるしずくしとしとただおちてくる
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左耳のピアスホールが熱を持ち人生すべてが膿んでる気持ち
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土曜日の夜のエクレア、アクロイド殺しと家族の淹れた珈琲
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願い込め年に一度の逢瀬には雨よ降るなと天の川ミルキーウェイ
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ラーメンの画像を載せて「スタバなう」そう呟けばバズると思って
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土砂ぶりよこのままどんどん降り注ぎ うっとおしさも河まで流せ
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窓外の豪雨はわたのように舞いあなたの返信待っていました
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脱衣所のむかし転んだとこにまだ血が付いている落ち葉みたいに
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出掛けると思い出したかのように追いかけてきた雨雲の波
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雨を知っていますか 「愛してる」と「愛している」はすべて同じですか
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好きだけどあなたといたい日があればひとりでいたいそんな日もある
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常闇の 我が世に明かりも 彩りも 絶えて昇るは 紫煙の灯り
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「今日も雨」 頬膨らませた 傘越しに 雫が飾る 君の幻
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「気にするな、赦せ」と笑みがどやどやと 振り上げた腕そのままに欠伸あくび
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いいですよ隣の車輌にもうひとりオレがいたってかまいませんよ
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「光あれ」lux fiat 回路の網mother boardに のり満ちて おはよう世界 僕はここだよ
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しがらみをベッドの上にちらかしたミニマリストになれそうもない
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シベリヤの白カンバスに 黒い蛇光照らされ鱗輝く
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四十年しじゅうねん街の盛衰見届けて ブルーシートをその身に纏う
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言い訳をつらつら述べるひとのまえカトラリー全部きらきらにする
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