夜の海 月の光に照らされる 砂浜の上 わたしの親指
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「また今度」メールをそっと削除する おととし秋の君に幸あれ
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いつまでもおしゃべりしたいこんな夜あなたとふたりあんみつたべて
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真夜中の高き月をば仰ぎ見て善き人として死にたしと思ふ
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雨宿り 予報がはずれ 土砂降りに 傘さえあれば 未来が変わる
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「家族だから会いたい」という感情を持つ人がまだ多数派らしい
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もうあすは目覚めなくても良いんですしがらみの無い世界へ行こう
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「草花が枯れかけてるわ値引きして。」花は枯れても安く売らない
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さようなら 元気でいてね またいつか その日来ずとも こころをこめて
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一袋貰えた湿布保護になり使い残しを渡す待遇
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痛みとは他人が解るはずもなく「俺よりいいよ」と押し潰される
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春ぶりに出会った君は真っ白な巾着袋の姿している
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爆音を鳴らす君から客席のバンドT着た僕見えますか
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犬がゆく弟の腕のなかでゆく私がいない日にとおくゆく
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虹の橋 君待つと言うその場所で 鈴の音鳴らし  わたしを呼んで
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母からの「家静かです」ひとことに子も犬も去る実家を思う
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恋情の最大瞬間風速になぎ倒される君の中心
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いつの日か 幸せだったあの日々を 素敵な歌にし 君に贈るよ
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明日からのドラマ 今日のうち録画予約 土曜?深夜のも録ってカンペキ
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俺よりも 君を好きなら それだけで 託して行ける どうか笑顔を
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五次元の俯瞰で時を眺めゐる。自由な意志なぞないかもしれぬ
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紫外線であまねく世界を感じ取り蝶の目をして花の君見る
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幾つもの頁の先には新たなる私待ちをり ひらり 目のあく
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裸足にて薊踏んづけ切り竹を踏み抜く熱持て夜を駆けること
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イルカよりトビウオ多めで泳いでね。バタフライでの気持ちの持ち方
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しずしずと重力に耐えし月白の御柱のいま脆きに屈せり
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月に来しチャンドラヤーン3号はひとり、ひみづをとぶらひて 眠りつ
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退院後 母は落ち着きリハビリし プリンの店など物色し居り
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日焼けして 白髪も増えた夏だった あれだけ救急呼び出されればな(苦笑)
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薄給の つらい事実は変わらぬと 壁に投げ 取る白球は清
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