あの人を待宵草のはかなさは ひとよ明かしてしぼむ花びら
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空を舞う 鳥から学ぶ 幸せは 心を放ち 生きる姿勢
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ドキュメント ああよかったが声に出る 浮いたわたしは神様ですか
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風邪ひくと 素直になれる 不思議だね 「ぶどう食べたい」 「早く逢いたい」
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化生けさうじて 案山子かかしとなりし作神さくがみは 田のにてまなこほそめむ
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今は無き故郷の家の庭先に どこでもドアで行く夢を見る
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「ごめんなさい」きみの誘いを断ってもう一押しが欲しい目をする
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その舌が頸動脈を辿るのは一体何の予行練習?
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夏至なのに、梅雨雲晴れず、どんよりと、長い時間の夕陽が見れず
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ゆふさりて 赤雲あかぐもなびく靑空あをぞらに 浮かびし月のおぼろなりけり
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光が煌めく海岸 ここはどこ? ここはマイアミ 時期はマイアヒ
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この香りほんとはきらいだったのにラボの記憶と不可分になる
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涼風は遼河を超える繚乱の緑土をめざす旅団とともに
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立ち上がりテーブルの上顔だしてなにかくれよと訴える猫
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四年ぶり ひ孫らと会い 楽しげな 両親見て 我至福なり
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新聞に書いてあったんだけどまだ本当だとは言い切れないし
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25で遅ればせながら反抗期 息子きみの心は中2なのかい?
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夏至と聞きカレンダーをのぞき込む 夏飛び越えて秋を想った
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いらないよ欲しい物など何もない 大丈夫だよと言ってほしいだけ
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なぜ母は 自分で買った傘じゃなく 私の折れた傘を使うの
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もう誰も面倒見ない栄養の豊富な畑雑草くさの楽園
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忌々しい羽音囀り聞こえたら バルコニーに飛び出す ハトとの闘い
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まだ名前がないってだけでドクターが「大丈夫」っていう病気なの
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還暦に子等からもらいしスマートウォッチ 心拍数と歩数を刻む
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放課後の 声がきこえる 夕涼み タイム・スリップ 夏至の夕暮れ
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何事も無いと勝手に決めていた 検査結果に 不安いや増す
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眼前の 歪む世界は いつもより 僕を優しく 包み込んでゆく
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豪雨でも ピーカンでもなき日に移動 ほど良き陽と風 ありがたきかな
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どこか厭世的な響き、でも ジョージ·ウィンストンのピアノが好き
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君が着るラベル一枚剥ぎ取って飲み干した後すすいで捨てる
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