薄青がレースカーテン突き抜けて夏まだ蝉は鳴いてないけど
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赤道の上に居たら4万キロ一日一周地球と回る
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人の欲には果てがなく断食をして死にたいと欲したりする
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を重ね同じ夢見たふたりにも やはり巡り来るそれぞれの明日
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脳用の油性インクが詰まっててグルグル書いてもカスと跡だけ
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息をしていたことだけを思い出す わたしたちは現象である
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ゼクシィのポエムで泣いた彼女みて 一人で生きる未来を捨てた
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紅葉狩り夫婦と歩く今日の日は24年目の麦わら帽子のリボン
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するときは  やるよと一緒と教えた君恋の言葉とは教師18年目
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休日の朝を調律するように珈琲豆をていねいに挽く
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雨だから傘さすように淋しいと僕を思ってほしいとおもう
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自分ではいつも疲れてる感じだけど普通の疲れってどんなんだろう
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きっといつか笑い話になればいいそう願ってるそうなればいい
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まだ夏になってはいないわたくしが黒いタイツを履いてるうちは
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いつみてもうそばかりだねゆうやけは五番ホームに赤色の風
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君に入っていた中指もう立てることは無いだろ平和の証
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わかってた そこまで馬鹿じゃなかったよ 愛せなかった 達磨だった君
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足もとの土がふつふつふるえている季節が変わる気配がふくらむ
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傾いた暖簾を破く瞬間に 砕けたそれは心だよ、多分
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おさなごの柔肌みたいな新緑をいっぱい吸いこむわたしのおめめ
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SOS モールス信号 後足あとあしで 送りはじめる 白い兎は
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もし僕が明日命を落としても この絵葉書は君にあげたい
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あの日から君に歌って欲しい歌が 僕のなかから消えてしまった
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桜咲き風のゆくまま散りぬけぬ乙女の瞳の中の風景
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「人間は動物だから」と大発見のように語られて、だから何
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二人分昼の光を遮って 「思ってたより風が強いね」
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自販機でミルク多めのこの春も平年並みのさみしさでしょう
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ぼくたちの涙は空に消えてゆきおそらく虹の養分になる
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紙の上で夜は明けてゆき頁を押さえる指までも照らし出される
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拳大に固めて叩きつけたならこれが怒りとわかるだろうか
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