かけがえのないものだって教わった 僕の代わりはいくらでもいた
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この指を「まくらにしたい」「乗ってほしい」 ねことねこ母 思惑一致
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ハリポタにそこまで興味はないけれど 小さいハーマイオニーは可愛い
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灰色の重そうな雲あおぎ見て春のかけらをどこかに探す
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むめは まだきもにほふ冬こもり 張りそむさまは花のさきがけ
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共振する左手首の銀色はサーカディアンの奴隷のあかし
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あの夜にあなたが告げた言の葉と 同じ温度で胸を打つ雨
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2台前 降りる遮断機 帰路の暇 前の車の テレビ眺める
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図書館の 全部の本を嘗め尽くす 真面目なあなたに私よ届け
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指切って治りの遅い現実を受け入れつつもちょっと悔しい
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静か静かここは静か 沈む沈むよ何処までも ただただ静む
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一度だけ君と話した放課後の話題は確かマリリン・マンソン
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週末に決戦がある 予備校の明かりは歩道の端まで届く
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時の概念はない幼い指が神様みたいに針を進める
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それらしい語彙を並べて整える それで良いのかそれが良いのか
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復興に 資材もひとも かかるでしょう 阪神淡路 しらない知事か /万博中止か延期縮小
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ダ・ダ・ダ・ダーン 息をひそめてドアを見る次のノックはここかあなたか
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フードロス出してなるかと残飯を刻んで母に食わす炒飯
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寒空に 白い溜息 たなびいて さよならだけが 人生だろう
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道迷う オートサロンの 外人を 道案内し 心休まり
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寒中の オートサロンは 人多し 日本人より 外人多し
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ついいつも得なランチに手が伸びるそんなに腹は減ってないのに
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待ち時間スマホの中のデータ消すだんだん若くなっていく君
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「雨は止む」みたいなことに人生を重ねたりしないところまで来た
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僕の三年 巻き込んで いつの日か 君よ、風になって やって来て
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十時間寝てみたくありそのためにゃ八時か九時に寝なきゃいけない
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寒風が心地良いぞと冬散歩一月雪のない道をゆく
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一日に一つ作ると年頭に思ったもののもう負けている
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会場に 朗々たる声 響きたる ぎんじるひとが 潔く見ゆ
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下駄箱に 綺麗な草履 並びたる 初吟会の 心意気 見えん
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