透明なイカはこの先のこの世のきれいなものを目指しておよぐ
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双眸に嵌った月が透明な私の先の誰かを見ている
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愛猫が病気になる前の動画    そうだよ君はよく噛む子だったね 
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半チャーハン セットのスープ ニラ餃子 ザーサイ炒め きくらげサラダ
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寝る前の毛づくろいにて ねこ母のあんよもついでになめられている
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小二時間こにじかん 好きな文庫の新刊を 前髪のびてる事も忘れて
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研究の一手若さを取り戻す春にもうそよそよ鯉幟
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直球で攻める若さの投球はチームが勝てるように青春
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連休は 田植えのために あるものと 家族総出で 青空の下 
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わたぼうしのままでは儚く 羽になり旅をしているたんぽぽの花
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ストーブも セーターコート綺麗にし それぞれ仕舞う 連休仕事
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連休も 遠出する気になれなくて 自宅近くで自然満喫
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亡き友の回顧展から帰る道 遺品の茶碗に残る温もり
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眼に見えぬ 傷は自分だれにもみえなくて 痛む傷口 触れてほしくて
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人生を 終らすスイッチ あったなら あの時押して いたのだろうな
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胸の血を迸るほど流しても時計の針はもうもどらない
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「可愛い」があだ名だったと自慢する 犬 猫 兎 蛇や小鳥も
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大好きと万回言われた仔らは行く 虹を渡って花を戴き
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風を受け俯きて咲くカタクリに倣いて屈みスマホを向ける
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寝る猫にたからものだとささやいた 長いおひげのやわらかなこと
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窓開けた瞬間どっと吹き抜ける 春風と踊る君のストール
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君の手の平に 広がる僕の夏 握れず終わる 秋冬あきふゆと 春
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また行こう 別れはいつも東京駅  明日から現実友も私も
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新緑や 君が隣にいた頃も こんな緑に 囲まれていた 
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今ここに『どこでもドア』があったならどら焼き持ってのび太の部屋に
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猫の骨 渡されすぐに抱きしめる  生きてる時と同じあたたかさ 
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カラオケでビデオ通話をしていたら 歌聞こえぬと人々のぞ
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おない年 はやまれだと 誕生日 遅いその分 やっぱり若い
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小田急が地下にもぐった下北を見下ろしながら飲み干すゼリー
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使い方も理解せぬまま買う機器は嫁姑の初顔合わせ
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