大女優 八十近づき 渾身の 演技に迫る 美しさ観る
2
遠ざかる 歌が出て来ず 友からの 思わぬ投稿 我奮い立つ
2
座談会 決意を述べる 我なれど 妻への感謝 溢れて来るか
3
我が友よ 携帯失くす 悲しさよ 慌てふためく 君の姿みゆ
2
我が娘 フォトウェディング 美しき よくぞここまで 来れた喜び
7
本当に死ぬ間際には脳内でシャットダウンの音が鳴るんだ
8
孫たちと 風呂に入るは 嬉しさよ じじと呼ばれる 我は誰かと
3
孫と行く 観覧車は 初めての 心ときめき 年月思う
4
幼き日 息子に花柄すすめたら 着たくないとの返事が返る
3
人住まで荒れにし宿を尋ぬれば浅茅あさぢに誰を松虫の声
4
診察後 平癒のきざし 認めたく 医者の言読む 思いははやりて
8
年取りて かわいいかわいい君の髪 我の行く末もこうでありたい
3
らんまんと 共に輝く かんばせの 草花讃えし 君の心よ
4
天高く 詠んでみたいが 雲重く 天見えずとも 我肥ゆる秋
15
起きられた チビ猫、キャリーに詰め込んで 汗だくになり健診いくよ
10
グラデーション美しきかな秋切手 3枚えらんで応募ハガキに
8
不機嫌に 天気悪いね そう言う君に 雨ってそんなに悪くもないよ
18
何もかもかなぐり捨てて旅に出る衝動抑え食欲の秋
7
絶品の望月にひかれ外に出ず君みるだろう哥を巡らせ
9
ポイ活と短歌が今の趣味となり 節約もできてお得な気分
9
こんなこと考えてもみなかった 思いがけない稲妻落ちる
3
Utakataうたかたと 短歌はじめて 一ヶ月 ことあるごとに 文字数もじすうかぞえ
8
悪行と言えば夜中にラーメンを食べることだと言う君でいて
4
しかも雨 降ってきたけど 運動会 どうなるのか? 延期は困る
3
運動会 結局行けず家にいる お兄ちゃんのは行きたいんだけど
3
罪のない記憶の乱れに惑う義姉あねの陽気な笑顔も消え失せにけり
10
月を見て綺麗と言うたび千年も前の誰かに接続している
8
何もない 虚しさだけが残る今 距離をおくしか方法知らず
5
ただ好きだ それだけあればよかったの ただそれだけが伝わらなかった
6
水槽の底から月を見上げればまっさかさまに夜に落ちてく
9