年重ね あちこち弱点発見す 左の膝と右の足首
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ねこ母の起床時間 ねこやってくる はやく起っきして かまってちょうだい
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ピーマンを くりぬき散らばる 点描が シンクに白花 咲かせたようで
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この人を 何と呼んだら いいものか 濃淡まとめて 友人と呼ぶ
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慟哭の まだ其処此処そこここに 残りても 花咲く春は 巡り来るもの
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可愛いと思い込んでた齧歯類がそうと限らぬとふと気付いた日
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いろいろな思い切り替えさてと言い日常生活12日には
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検索で ヨガ減量で 出たポーズ ただひたすらに 水を飲みつつ
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雲切れた 隙間に希望 見えてくる 同じ思いで いてね皆も
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洗濯機 ヘアピン パソコン 恋のうた わたしの生活たつきにあなたがやどる
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残雪の 静寂しじまなる町 水音と 通勤の影 黙々とゆく
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呼び声はノイズの中に拡散しepochごとに旋律を知る
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ひとことが世界をひとつ裏返し息は夜風とともに過ぎ去る
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水面の淡い光が照らしだす無言でゆびを挿しこむあなた
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幾千のことばを帯びた電線が輻輳させるひとつの世界
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救われる一語も知らず磔刑を見送っていたわたしはユダだ
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夢現つなぐ言葉の海原に揺られBlueskyに鳥は
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濁点を抱えた暗い嗚咽のみ穿たれてゆく殯の夜に
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水面の向こうにゆけばもう一度その睦言を聴けるのですか
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両腕は花に嵐を抱きとめて不可知の声を待ちわびている
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明け方に馬鹿らしさだけ持ち越してことばはすでにため息の底
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月へ征くあしを踏み出す影にすら若葉が芽吹く うさぎがわらう
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窓の外 冷たい雨音 春時雨 一雨ごとに 蕾ふくらせ
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わたしたち肌色ひとつで透明になる おなじ血潮をもっているのに
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花が咲くのはいつ頃だろう いにしへのみやこに咲いた花の蕾は
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ひらがなを辿る道すじ 指先で千年前のことばをなぞる
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時経ても言葉があろうはずもなく おかえりなさいに代わる花束
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前走る 軽トラのおり たぬきり こちら見つめて 「どこ行くの俺」 / ずっと見つめられて
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追いつけず横断歩道渡る孫遠く見送る祖母を見送る
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筍を 炊けといふから炊いたけど  腹持ちさせんと 唐揚げも添える
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