敷島の大和言葉で語らへば君てふ人を知れた嬉しさ
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とろとろと時間吸い込む微睡みの奥の奥まで揺れて落ちたい
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(好きです)を殺して笑う「好きでした」 誰も知らない 知らなくていい
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せめてもの 社会に対する 腹いせに ビールあおって履歴書を書く
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外国の映画みたいに土砂降りの中傘なしで歩きたい日だ
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"I love you." その6音が "like"より 心地が良くて 初句に置くI
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ぼんやりと冷える身体を抱きしめて眠れるようにあれをちょうだい
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教えてくれよ ファタ・モルガーナ、むせ返る ような季節の 訪れを
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頻繁に 連絡しないで しょぼくれた 君の表情 こんな気持ちか
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わたしにも砂地があって夕立も降るから今日は名前で呼んで
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涼しげな音色の響く風鈴は南部鐵なり母の手土産
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善という字の横棒を数えあげ組み直すだけの悪のお仕事
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黒い銀 緑の銅に 赤い鉄 金だけなんだ 汚れないのは
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未来をば考えぬのは動物と医者は言いけり我は動物
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かろうじて 形を保っている身体 粉塵爆発まで5秒前
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雨宿りしてゆけ猫よ凛とした黒き背中に言葉届かず
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空のうえ さんさん輝く 太陽に 焦がれる気持ちは 蟻よりわかる
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死んだ後何になるのか考える 僕以外なら何でもいいや
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伸び代が あるよと言われるプレッシャー すみませんもう僕がんばれません
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たった今 君に救われるためだけに 地べたを這うように 生きてきたんだ
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夏の風に揺れる君の髪を見ていた もう二度と戻れない夜
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‪とりあえずお風呂に入るそのあとのことはそのあとまた考える‬
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夜明けだねそろそろヒトに戻ろうか 溶けてた影を集めておはよう
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歌姫はブレイクフリーと歌ってた その風穴を行くぞおまえら
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空席がひとつとばしのシアターで 手に汗にぎる客らは密す
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夕焼けを一緒に見たならそれは恋 朝焼けならばそれは愛だよ
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真夜中が静かなのはねお嬢さん 悲しみの音が聞こえるようにさ
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明日から影が痩せてく夏至の日の空地に君を探しにいくよ
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夕焼けが早送りして夜となるピーエム7時の東京の空
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この身体 千回裂かれて まだ足りない だから嫌なの 恋とかいうやつ
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