上辺だけ 仮初の恋の 楽しさを 知った最後は 甘い蜜地獄
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きみの言う 俺のものじゃない 当たり前 気分が良いね その時だけは
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噛んだ跡 見た目にこそも 見えないが ヒールと同じの 痛みどうしてくれやう
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ソバージュの 香り高くて むせちゃうよ あたしの髪まで 染めないでよね
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今頃は 誰を思うの 電話越し 誰でもないなら 良かったのにな
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明日こそ行くんだきっと明日なら今日とは違う私がいるはず
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あじさいは朽ちる花弁の色だけで退廃語るだから美し
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とめどなく 崩れて溢れる 感情が 最後に壊すは 真綿の言葉
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ずるい人 貴方がもっと 悪くあれ 半端な優しさ 本音ぶつけて
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愛おしい私の全てを吸い込みたいって言ってる空気清浄機
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骨壺の中身ひとかけくすねたの 砂に潰して時計にします
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一夏の花なりたい来世には 来るたび夏は感じなくなる
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夢を見るいとまも無いほど懐かしい右目からのみこぼれる海水
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コスモより ゆらり煌めき降ってくる 幾千星と君のLINEと
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ひらがなに牙を抜かれた「ぼうりょく」は白髪交じりの猫にはにかむ
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栞紐 大海原に放り投げ手繰る言葉は潮に任せる
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三階の渡り廊下で反射する金色こんじき見上げ浴びるファンファーレ
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傘を忘れた嘘をついてもいいし止まない雨があったっていい
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厚切りの フレンチトーストに しみるメヰプル よもやまごとも 飲み込んでくれ
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夏が来て消せないメール開くのはあなたを知らぬ親指の爪
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傷口は癒えていないの今もまだ そっと布で覆ってるだけ
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あぢさゐの花にこころをたとへまし憂しと見し世のうすむらさきの
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日に火照る赤い唇に包まれてとろけて消える白のうずまき
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横の子に貸したノートが連れてきたふせんの熊とありがとうの字
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耳元で君とつながるおやすみと言えないままで朝を迎える
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「また明日」次の約束結ぶよりまだこの今日が続いてほしい
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おはようが 絶えず飛び交う 雑踏に 君がすとんと 舞い落ちた奇跡
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「これがぼく!?」にはならないさ 覗き出た変身願望そっとしずめる
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青くては駄目なのケーキ作るには旬に向かってばななは腐る
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明日がある それは希望で絶望で、いいと言うまで手を繋いでて
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