僕たちは起き上がれないだるまさん はじめの一歩が踏み出せずいる
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掻き抱いた腕の中身は幻想でただてのひらがパチパチと鳴る
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海原のEtoEを翔ぶ鳥の淋しさを抱く安宿あすかはいずこ
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僕たちはビンボーゆすりさ いつだって 仕方がないさ 多動だもんさ
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三つ編みがまぶたの裏で揺れている 顔も声ももう忘れてしまった
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ゆめのなか都会の夜を彷徨ったきみとわたしの午前二時半
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掠め取り自己の認知も歪ませて居直っているヤツばかりなり
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光など見たくもないな今だけはどこまでもただ沈んでいたい
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こんなことささいなことと思うほど悩むことさえままならぬまま
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乗換の駅にてみすず学苑の広告眺め食うたぬきそば
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海辺から柘榴の夕陽眺めてるわたしとあなたルパンと不二子
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三時間 熱く激しく語り合い それじゃと別れて二度と会わない
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この街は どこまで続く泥濘ぬかるみか あしを取られて脱け出せずにいる
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化石化した古代のイカになりたいと漂いながら電車で思う
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百億のtreatだけが欲しいので百鬼夜行のしんがりに付く
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そろそろか 二度目の冬をむかえます バジルに冬を越させてやりたい
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耳鳴りの潮騒を聴く闇のなか眠れぬ夜の約束として
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少しずつ歌の呼吸を覚えては今この時のことのはに継ぐ
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からだごと空に開きてゆく気持ち大切にして薔薇をめぐりぬ
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ゼロにせよ 先入観も偏見も 出会った瞬間ときのそこから始めよ
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はやぶさのごとくリプライくれたきみ"MAILER-DAEMON"本名はなに?
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牛と豚ぐちゃぐちゃ混ぜた肉片を焼いて食べたらほら、ヒトの肉
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こよひ月は冴ゆる光に心をばうつし異界へ持ち去りゆきぬ
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かかやける月の平野に棲むといふ聖なる兎おひつる兎
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月はなほ木の間より洩れつつみこむ知られざる心その奥までも
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あの夜に君が見てたのが月ならば私は死んでも良かった、なんて
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つつみこみ冷たき指先ときほぐす一杯のここあ蜜もたらしぬ
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寝返りを打ちながらまた考ふる恋の色かたち濃淡のこと
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韻文となりて佇む秋草を青白き影につつむ十五夜
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爿2つ寄り合う様が好きなので川渕さんよ川淵になれ
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