公約数 小数点以下切り捨てて 合わせた分の心が重い
2
沈黙が二人を繋ぐ架け橋と言ってよ 夜が明けるとなりで
1
長袖のシャツだけ着れば良い日々の儚さ 袖を丁寧に折る
11
咲き誇れ。喉から咲いた 赤い花 育てるために 捧げる涙
2
許されることではないと 思います。貴方を『人』に したということ
3
君に触れられない手なら、いらないと 切り落としても 目は君を追う
2
ぬばたまの宇宙へあふれ出す電波のように香る夜の茉莉花
2
祖母語る 思い出遠く 霞ける 百も並んだ 湯呑みの果てに
1
怒りには無音が似合う 我が胸はマグマの鼓動ばかり響いて
2
枕元 ミルフィーユのよな浅き夢 食べかけのまま 転がつてゐる
3
いつまでも絶えることなく続かないからこそ誓う意味がある
3
寂しさは氷彫刻 犀利なる温度片手に 炎天の駅
2
いつまでも絶えることないものなんて ある訳ないってわかっているのに
1
仙台の青葉は皐月 定禅寺 百万色のペリドットかな
2
ミーハーな河になったと 嗤う日を夢見る あをい純度よこ目に
3
インクだけ 僕のかたちを模すものは 煩雑な傷 ページをとじる
3
オリオンは錠剤 僕をいさめてよ 朝日が瞳に触れる幕まで
5
ありじごく 落ちる瞳に映るのは 史上最強うつくしい空
5
よりいっそう 孤独になりたい あなたには 銀のしじまの 小舟をあげる
3
変わらないものなんてない 月だってほらあなたから遠ざかってく
3
バー越ゆるせつなのせなかしなやかに反りつつとぶや陸上の夏
3
「いけないことしよう」と言って深夜二時あなたと食べるチキンラーメン
4
おひさまのにおいまとったカーディガンだけでも君を思い出すのに
6
家族とは血の繋がった他人です。言い捨ててしまえるのならそれまで
1
終わりとはご褒美だから最後まで戸棚の上に積み上げておく
3
耳持たぬサンドウィッチを見習って切り捨てるもの少女の嘘は
10
メモ書きで君が去るとは思わずに朝焼けは心わずかに奪う
9
サラコナー さらさらした粉 泥団子 作るときそう 呼んでたの、サラ
2
カーテンの 取り外し方 わからない 我のノーマル 洗濯し干す
0
やきがきと かきやきがわかる うれしさよ ほんとのことなど 知りたくはない
0