ほろ酔いは別れ難くて次の店彷徨う夜の風は涼しく
10
スヌーズを 4回止めて ふと気づく ねこが足元で ちんまり待ってた
6
目覚ましは二階の音が効果的徐々に増してはバタンで消える
9
久々に エアコン切って 迎えた朝 家中に蝉時雨 満ちる
11
福田村 我も人もと 加わりし 不安を募る 心の危うさ
3
人が消え 残る田畑 どうなるか 故郷思い 我胸痛む
3
分/解からない 水兵リーベ ボクの船 あなたにとって ボクは何番
4
姑の写真に枠をマジックで描いて合わすお茶目なワ・タ・シ
4
下向きて食器ザラ見る飼ひ犬の口の先から涎の落ちぬ
4
うなぎ食ふ年に一度の日なりけり酒を飲みつつ一時間まつ
7
風太郎自身はいかな死に方と臨終図鑑読みつつ思ふ
2
朝はやく砂浜を歩く振り向けば私の足跡ばかり 海鳥が騒ぐ
8
紅蜀葵は陽に照らされて鮮やかに庭を彩る昨日は5つ今日は13
4
テレビが映す郊外の風景  マスクなしで笑う人々の姿が増えた
4
腹いたい 我慢し乗り込む バスの中 早く着け着け 神に願うさ
5
まだ寝ない 深夜になつても 光る板 明日の朝は 地獄になるかな
3
夏の日の物陰強くきわだちて街は神秘と憂鬱のなか
3
青春は良い言の葉で二度と無く老いた枯れたで名も刻めない
11
風呂上がり丹念に塗る美容液、汗ふくタオル美肌になりそう
8
まぁちゃんにちょっと似ているミキがいて「暑中お見舞い申し上げます」
2
出身の大学受かる夢を見た生まれ変わってもここがいいのか
4
帰り道きみを探して選ぶ道いつ会えるかもわからぬけれど
7
生霊いきりょうを飛ばしてみたいと思ってて スマホで色々検索してる
8
通販で もとめし中古の 古い歌集 ゆうメール発送 のんびり待つさ
4
エキバンを ねこが舐めてもいけないし バンドエイドも 貼るしかないし
5
内と外 貴方にくまなく撫でられて 柔らかい鞭 体を走る
3
朝5時に テレビに映る 君を見て 水曜ランチ ラーメンの日
4
さよならの翌朝の花束のしずく これって私のだったんだ。
3
元妻が 新居訪ねて 買ってくる 男女の仲は 摩訶不思議かな
4
提灯のとぼしに競い 山鉾の影に顔出す立ち待ちの月
3