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歌碑のそば泰山木にかしずきて
木槿
(
むくげ
)
の白の清けき夕暮れ \ 前田夕暮の歌碑
16
千里寄せくる海の気を 吸いて魔物となりにけり(台風は海の子)
7
おおかぜが千里の波濤を越え来たる 渦の瞳を鈍く光らせ
6
まどろみて夢に見ゆるは黒髪に隠れた君の白きうなじかな
5
盆過ぎて孫らの帰りを見送れば
妻
(
きみ
)
の肩からサロンパス臭
16
日本に稲作文化のなかりせば卑弥呼もおらず万葉集さへ
5
熱が出て良かった これで堂々と言える「本日お休みします」
7
あと少しもうあと少しで射抜かれる 私の心は障子みたい
7
飛び降りれば死ねる高さに住みながらどうして一歩踏み出せぬのか
2
ねえかみさま 二度とわたしを描かないで ほら右手出せ、へし折ってやる
3
わたしには怒りだけ 怒りがあればそれでいいから、あとはいらない
2
「めっちゃ上手い!プロになれるよ、ほんとマジ!」賞賛するなら仕事をください
5
どん底が過去になるように病室が未来にならないとも限らない
6
似合う花 最後にあげて終えたくて 花屋を一周 手ぶらのまんま
7
そういえば星占いも見てないわ わたしのぶんもあいつのぶんも
4
世の人に媚びへつらわず正直にそんな母娘を救う人あり
17
完璧を演じるアイドル眺めつつ ぼんやり願う イデア界入り
3
閑さや 天使が通り過ぎたので 見惚れるばかりの蝉の脱け殻
7
誰も悪くないのに空気悪くなる 逆空気清浄機なぼくら
8
誰かへの助けの言葉届かずに陰に堕ちるは自分自身で
5
ああすればよかった、っていう後悔は イカリにならない 航海に出ろ
9
月灯
(
つきあかり
)
都会の空に憧れる闇に隠れる僕達の星
5
骨だけだし 舌とか肺とか無いけれど 好きだった煙草 供えちゃうよな~
6
信じてた未来を誰かに盗られたの 証拠は無いけどそう感じるの
6
流体に 心細げに飛ぶ 燈 祖から受け継ぐ 今が幸せ
5
ふわふわと 夜海に浮かぶ 灯籠が ここはタイかと錯覚させる
5
蝉時雨下駄の音色と消えゆくは溶ける氷と同じ速さで
3
“こころ”の 右の点だけでも くれないか しっとりソフトクッキーの肌
3
送り火を見ながら彼にも刻まれる文化風習その他諸々
6
さざなみのさから始めるしりとりを君と海辺で夢想して午後
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