観光バスでほろ酔い 御祈り帳に描く 空海の風景
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お互いの 心の内を 想像し 誤解だらけで 気にも留めずに
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本当の 自分でさえも わからねば 相手のことも 何も知りえず
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自分では 自分の姿 朧気で 他人から見える ようには見えず
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一般に 自分で思う ほどでなく 相手は何も わからぬようで
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眠たくてああ眠たくてもう寝そう泡沫の中次の夢見ゆ
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哲学を 嫌う人とて 人生を 一度は深く 考える時
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死をもって 終わりと思う ことなかれ 永遠の時間に 堪える自分を
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幸福を 求め重ねて いるうちに それが幸福 とはたと気づく
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人生は 学びて歩む 修行道 甘さ苦さは 表裏一体
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甘き物 喰らいてばかり 居るうちに 病気になりて 苦しみことに
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苦しみも 挫折に担い 人生の 苦さも知りて 幸せと呼ぶ
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何もかも 思いを遂げて 満足な 人生歩む 人などおらず
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真理さえ 求めず知らず それでなお 幸福なりと 安堵できるか
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欲求は 真理を満たし その上で 目的果たす 道を辿りて
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昔から 愚かな人は 考えず 欲求満たし 真理を冒す
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満たされぬ 思いをずっと 持ったまま 死んでゆくのか あきらめるのか
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欲求を 受け入れるなら 自らと 同じくらいに 他人を満たせ
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欲求を 満たせばそれで 喜びが 満たさなければ 悲しみがあり
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何のため 繁殖のため 愛のため 存在のため 喜びのため
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誤魔化しの効かない生が迫り来て隘路だろうか酒精の杯は
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年輪を刻みて気づく先達の静かな背より滲む優しさ
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貝殻を並べるように並べても言葉は意味を語る みずから
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晩春に身も軽くなり桜木に「緑も似合う」なんて口説いて
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脚と脚手と手からませねむりけりほととぎすなくよるはやさしく
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〝人間〞 としての証明、君の愛 僕が手に入れられないものたち
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世間から 逃げて庵に こもっても 逃れられない ひどい劣等
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最終日 御破算で願いましては右へならえでトリガーをひく
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コーヒーを警邏あるいは探索する猫を捕えられない朝餉
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霜柱を踏んで踊ろう 赤い靴を脱げなくなってもあなたといたい
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