慟哭の 白ゆき降らす天の原 我らを癒やす 妙薬となれ
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ぜんぶんなったけど嫌じゃなくて厭選んだこだわりがあたし
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君知るやブルートゥースに紛れ込む遅延の奥の微細な悪魔
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イヤホンを ブルートゥースで つないだが 遅延がすこし じんせいにずれ
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十二時を過ぎると見える透過してそいつを拾い持ってくるのだ
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いくつなら しんでもいいと おもえるか いまじゃないのは たしかなのだが
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少しずつ影に実体近づけてカチャッと嵌めて制御しようか
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大声で愚か者めと罵って嬲ってくれよその幸せよ
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食あたり?ウイルス性の胃腸炎?だれか助けて午前四時半
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けだるさがしみつく閨のリビングにたまごを乗せたトーストかおる
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このまちで孤独に飲まれ錠剤を150錠ほど召し上がる
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からださえ思い通りに行かぬのは神様からの借りものだから
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星型のきいろい果肉を齧るとき世界が終わりを告げる音がした
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ウエストの細さに命を懸けてる私に子どもは作れないよ
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あの人はずっと好きなままいたいから 冷めるルートは自分で潰す
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あ、今の言葉選びも嫌だった 好きだったのに冷めてく過程
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年末に会ったきり今日あけましておめでとういう二月一日
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住宅街 夕方6時 通り過ぎ あちらこちらで ごはんが香る
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電殻の武器を爪弾く銀色のかひなのなかに貴方は住まう
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はげ山の怪人基地を吹つ飛ばし爆竹戦隊ひとり負傷す
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炭酸とポップコーンという名の武器を持ちホラーを観る私は無敵
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どこからが部品パーツが編んでどこからが細胞セルが編むのかわからなくなり
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「おやすみ」と言って通話を切るけれど 少しだけ見る海外ドラマ
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感情を必要としない職場でも、気持ちが無くなるわけじゃないよな
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悪意とは多分どこにもあるもので多分パンツもはいているのだ
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無いものを有るとは言えず有るものを無いとも言えず考えている
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歌いたい歌を歌えばいいのだろう上手い下手などどうだっていい
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一歩だけさがってみれば一歩だけさがった景色が見えるもんだな
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新宿の駅で迷子になっているそんな感じの熟年である
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病院の待合室に旅の本 いつか行きたし古都の裏路地
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