夕陽さす武蔵野に行き森野行き 駅員見ずや君の手を振る
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三多摩の古き歴史を偲びつつ 草をかき分け秋の野を行く
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半裂きが月をぬたりとめまわし天より下は無碍の澱みに
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ぬばたまの夜とも知らぬ濁り江にひとりすみける月の影かな
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徳用のポテチ砕いて庭に撒く アイツの  どこが   いいと   いうのだ
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いつかくる反抗期までとっておく 乳吸う君の写る写真を
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さっきまで持ってたはずのプライドは 通過電車にひかれて飛んだ
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本当のことなど何もなかったな 下の句はどうか言わせないでくれ
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こらえねば吹きつのる風に洗われる思想ことばの手前にある血と肉に
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懸命に ただ懸命に生きている それをそのまま ただそのままに
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朱き夏ゆき行きて白き秋のふちとどまり玄き冬を眺むる
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遠き雲まぶしく街を見下ろせばまだ夏の日の光る球体
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円柱は春、球体は夏、そして、かたちの消えてゆく秋と冬
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タンタタタ タカタタカタカ タカタタン タンタタタンタ タンタカ短歌
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まっくろな大海原にただひとり ともしびだけでこぎだしてゆく
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生きづらい!ああ生きづらい!生きづらい!そんな話を友としてきた
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行き先も見ずに飛び乗る終電車 どこへ着くかな目指せぱらいそ
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落ちていた気持ちが少し上を向く 出会い頭に軽く目礼
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‪尖ったりふざけたりした過去たちの真の想いを我だけが知る‬
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「ほんとうは」から始まるよな文章を書いては消して宙に消ゆ感情(われ)
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この恋はかなわぬものと知っていてそれでもあきらめきれない想い
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面白い本を鞄に忍ばせて外出 腰が軽く感じる
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さみしさのたまごは孵化を待つている繋ぐ手と手に包まれながら
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雨の夜脱ぎ捨てられた雨合羽風にたなびき腹筋をする
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目玉焼きの黄身を潰すあなたの目から橙の汁が流れた
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白波の声が飲まれる波止場にて君の名を呼ぶ去年の屍体
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秋空の太陽の光校庭に降り注ぐ犬が乱入授業ができず
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躁状態! 多動のトビラを開け放つ! あっちだこっちだいやいや向こうだ!
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イヤフォンを忘れてつらい喧騒を子守唄へと ゆらりうたた寝
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光など当たらなくとも息づいた。過去、未来、今舞台袖でも、
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