暮れ方に李商隠を模して丘に佇ち 同じ黄昏に今気づいた
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スクロールすると飛び出るツーショットマスクはずして勇気をだして
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きみがいてぼくがいるまちこれからもきっともっとねたのしくなるよ
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パノラマの写真のような風景だ 入道雲が永遠とわつらなる
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令和から昭和時代に戻ったか 朝から聞こえる「たけやーさおだけー」
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滑稽ね 深読みしすぎ 悶々と 本心なんて 暴くのは野暮
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娘にと 必死に探す 保険とニーサ 妻の祈りは 確かなるかな
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借り受けた身体と私は手をとって苦の満ち渡る人間じんかん
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みずからのさかひを言はぬ草葉らに いかに心をいさめらるらむ
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信楽の逞しき土に 月夜の蒼を模した 小皿を二枚
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停留所のベンチにぽつり死んだセミ 命の意味を求めすぎない
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ギャラリーの静に 清かな水琴の音 「沁みる」とはこのことを云ふのか
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信楽しがらきの里 軒下のツバメの雛は 小さき簾に守られて居り
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アスファルト上のみみずはこの場所が蒸す焼く喰われる地獄に見える
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マスカラが上手くいってる今日ならさ会ってもいいよ君とふたりで
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そういえば 祈りしことは 母の健康 ねこの元気と 自分後回し
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信仰を持たない私であるけれど 天祐天罰を信じてはいる
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ねこたちは 食欲もあり 頼もしい ねこ母よりも ねこがげんきだ
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今日は一人 ゆるりと眠って過ごそうか ペットボトルのお茶をお供に
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猛暑日が続くけれども 梅雨明けは まだなのかなあ? 湿気はもういい
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日記にもホントの気持ち書けなくて行き場に困る我が思いかな
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若き君 奪還目指して 鎌倉へ 花と散りしも 歴史に光る
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ねえ桜、えがお守って散っていくのね 世界でいちばんやさしい戦士
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朝焼けに蝉が鳴いてる それを見た僕も泣いてる日曜日の朝
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路地ものの みずみずしきを 携えた 笑顔の貴女 偲んでいる夏
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米こうじのみの甘酒 やさしくて 母のお粥の気分になりぬ
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もとおっと(父?) おりじなるめんばー とよんでいた すれちがってく 二十一世紀少女
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スクワットできたようなら まあオッケー 栄養補給に りんごか甘酒
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『君たちはもう生きるな』と言われたら逆に生きたくなるのでしょうね
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あらましき しづくの打ちつ大地おほつちを 黄いろし小傘の のぼり歩みく
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