おにぎりも食べた気がしない夕方に冬に備えて肥えるの尻
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あの人に愛されたいと思う前に私が愛していたいと思う
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くぼませた手のひらの中雪は融け冬のあなたに出会えぬことを
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〈道〉と云ふ 居酒屋タヴァンに 飾れる 肖像の 道化女優ジェルソミーナは 喇叭を吹けり
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情けない私をどうか許さずに 卑怯で弱い私へ罰を
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まっさらな スーツに袖を とおすとき 少し大人に なった気がする
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流れ行く ものたちうまく 取り入れて 自分のものに してしまいましょう
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日が暮れて 月が顔出す スレ違い まるで私の 恋空のよう
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君んちとぼくの部屋と煙草屋と月を巡回したキッドナップ
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眼前に 広がる真紅 煌煌と 最期までとは 叶わぬ願い
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「Are you love?」投げかけた問い深淵へ遠く響いたボクハアイデス
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「本物の貴方は何処に?」 虚像イメージを 無限反射す 鏡地獄シミュレーショニズム
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カーテンの向こうの銀世界の目の奥で子犬を飼っている人
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いまひとつ盛り上がらない噴水 両の手で蛙つくってみせる
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苦しみが 君が一世の神髄で あるべきなどと 言えるか莫迦か
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聖年にれし最後の皇帝の物語編むチンクエチェント
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三度みたび摘まるるマルグリットの一輪は時代てふ名の神の右手に
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ジョヴァンニはうからの誇り衞るためスフォルツァの血を黑く染めたり
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ふう おわり やっとおわった 気が抜けた おわったのかあ マジか ホントか
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産業廃棄物にうずもれているひらいていないやさしいてがみ
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駅にり 良いお年をと越されたる年にこうべを垂れる人たち
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下手な絵も 子供とならば ごまかせる 少しずつだが 上達してく
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植え込みに 落ちてるゴミを 拾ったら 草花たちが 笑顔になった
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制服は 無口だけれど 着ていれば 同じ服でも イジメられない
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満月に性欲の湧く食卓のグラスのワインが血のに変わる
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ねむい朝に温度計は二度を指し かくしごとした夜より寒く
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ため池を横目に眺め坂下る私のながい髪と年齢
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性的な言葉で遊ぶ十三の女のなんとかわいいものか
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4すらもねこの卵も遠い日の 秋の雷聞き思い出す
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3々の芽の柔らかくなる初春にねこの卵の孵る夢見る
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