定年後 曜日感覚 鈍ってく サンデー毎日 平日はいつ
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ひび割れて 心今にも 砕けそう お願い誰か 水をください
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昼下がり 助手席の人 目をつむり 「無理はしない」と呟きねむる
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唐衣隠れ家出でて空梅雨のさびしき芝ふむ浜までの道
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うす絹が肌を撫でる冬の雨 首をすくめて長靴を履く
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長雨よ我とともにし泣き給へ 今は鎌輪奴かまわぬ涙ひとすぢ
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あなたのことを考えたら勃起して全身隈無くまなく血が巡る
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何度でも好きと言わせて眠りたい 私の耳に声の住むまで
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頭上あたまうえ仰げば寒い白椿首を縮めてふるえておりて
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あれ 喉が痛い…? … … …気のせいにする 気のせい 気のせい 気のせいだ 頼む…
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まだ慣れぬこころ七五に織る技術こころ ならべつ削りつ入れ替えつしつ
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かたぶきし Oude Kerk旧教会の晩鐘は 世を儚みし 嘆きにも似て
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道で見る尾っぽを切られた三毛猫の切ないまでににゃあにゃあと鳴く
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霧深み 揺れる街灯 月笑う みちのポストに 手紙出す者
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八歳の恋情はまだ燃えていてタイムマシンをあきらめきれず
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もう師走 そんな噂が流れてる まことしやかに 流れているね
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指差して ヒソヒソ話 大笑い こんな笑いは 僕はいらない
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逢えない日 受話器にそっと 口づけを 昭和の恋の あるワンシーン
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わがままも かわいく見える あなたなら 恋は盲目 よく言ったもの
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目をみはる星をゆびさしあおぐ空 幾光年の君のまなざし
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古書店のパラフィン越しに読む題字 日没そとは冬曇りの月
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Centauri αあるふぁβべーたに導かれ 捧げられたる 南の十字
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羊らは 書を紐解ひもとけり 絶望を 名付けて括弧かっこへ 入れる為に
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うつむきて六花に背くクリスマスローズの白は誰の化身や
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地を見つめ待ちてゐるその香りより花ことばたつ追憶といふ
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待つといふ冬のすがたを具現するうつむく花の凛とある白
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ビル街の窓それぞれが明るくて北へのしるべを失う真冬
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もし無事にホワイトアウトを抜けたなら あぁ一番にココア飲みたい
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足の悪い人馴れしたるハクセキレイ食を目当てに昼のコンビニ
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忘られた言葉は君の声をして冬曇りの下を帰ってくる
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