青蔦あおつたの茂る空き家に残されし白きボールに七月の雨
33
いろいろとカッコイイこと言うけれど 伝えたいのは(好き)ということ
4
眠い時スッと寝るのが 幸せも 眠剤くすりで無理に「つくる」日もあり
10
ハラペノとふ激辛トウガラシの系なれど辛味なく名も「子どもピーマン」
6
ゆつたりとふるさとの風受け飛びたかつたろうて肉弾の人
5
「夕食後」幼児の脳が翻訳す「未来永劫届かぬプリン」
7
二十歳はたちまでばかにしていてごめん初恋は疾風怒濤の嵐
5
侵されぬやうにまなこをかッ開く 不穏な人が多すぎる夏
5
正直はあなたの胸を食い破るから 私の胸で飼っておきます
6
松島も浄土ヶ浜も清水きよみずも なんぼのもんじゃい 君がいちばん
4
身も蓋もどうにでもなれ なべの隅にて乾きゆくそうめんの繭
3
人間は外見じゃないと言っといてアンチエイジング勤しむ老母
9
いま君に会いたいと咽び泣いても決して届くことのない刻
5
片付けて 使わないから 処分して また片付けて なぜ物増える
10
寝てるのか避難開始かラインには既読は付かぬ闇夜に降る雨
20
だんだんに明かりが灯る大阪を 窓からながむ着陸態勢
13
次々と洪水警報、避難指示、我が子の住まう部落の字幕
18
寝なくちゃと思ってつけたデジタルウェルビーイング今日も解除する/余計に辛い
6
モニター越しの君にカーソルで手を振る目が染みるブルーライト
4
カルピスをぐいと飲む君汗まみれ 夏の一瞬心のシャッター音
7
挟まった投げ込みチラシ取り除きやっと正しき感触になる
8
また一軒唐揚げ屋さんが閉じていたフルーツサンド屋さんは大丈夫?
6
しょうがなく どうしようもなく しかたなく 古びた網戸に 盲目の蚊が死ぬ
4
走り書きしたメモのあと追跡しどっちつかずの行き場のない日に
5
「生きてんのすげえ!!!!!!!!!!」 と言ってくれたから 晩ご飯には 冷やし中華を。
7
あなたの事を好きになる人がいて僕は百年孤独に喘ぐ
10
死の駅で終電を待つ  ゴキブリとガキのイチャつく構内にて
6
川底の 有象無象の 石ころに 刻まれた過去 丸くなりけり
12
考えも今日のレジュメもしけってる 君の隣が私ならいい
5
三人の残余の人生刻みおり。古時計ほど堅牢にして
8