幼子が野菜をける無邪気さで私は社会から弾かれる
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ナーバスになっているよで 気が晴れず だけども寄せ鍋(〆)ラーメン美味なり
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道幅を占拠している雪解水 洗車場には順番の列
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親指で 電子のすべてを デリートしても 脳裏に浮かぶ 微笑み残る
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コンビニの女の子目が綺麗だがマスク取ったらがっかりだろう
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「家出してやる」と言ったら母さんは「帰りにお酢とお味噌買ってね」
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色づく花にスマホかざした横顔は期待を込めて腹を切り取る
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君だけが呼んだあだ名のかたちした穴が残って動けずにいる
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カモたちの 大群飛び来て空覆う「見て!見て!」と呼ぶ看護師さんを
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エピペンを野良では提げるぜったいに二度目があると信じてるので
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社長より頂きました文旦の皮剥きジャム煮 休日が終わる
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かけっこで決して呼ばれぬ我の名をあなたは優しく何度でも呼ぶ
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星の死は新たな命の始まりを意味し名付けた「超新星スーパーノヴァ」と
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誰にも触らせない花をていねいに引きちぎってゆくつめたい嵐
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平凡に格上げされる日が来たらもっと呼吸はしやすいのかな
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ほしかった ひとまず保管 部屋の隅 思い出すころ 使い道なし
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春に向け丸々肥えるつぼみたち 咲く一瞬をまだか、まだかと
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短歌うたっちゃえ 心のモヤを解き放し 恥ずかしがらず つくれやつくれ
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好きなことバレたくないが君の顔見てしまうのは条件反射
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「嫌い」って言葉をオブラートに包みお菓子と混ぜたものがこちらです
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梅見月 降りながら降る 雨の下 あなたとわたし 畳半畳
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趣味ばかり している私 いつの日か アーティストかな 出遅れた夢
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人生は 失敗ありて 成功し 恥を掻いても 明るく生きよ
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穴のある 照明灯に 絵を描いた 紙を貼り付け 行燈みたい
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居間にある 照明灯を 変えようと 落してカバー 穴開けました
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雨上がり黒く滲んだ道道に白くえがいた水玉模様
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神様に 報告できる 内容の 人生送れ 恥掻かぬよう
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人生は ゴールがありて いつの日か 終わりがありて 店仕舞いせな
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楽しみが 一杯あって 良かろうと 思っていたが そうでもないか
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仕事なし 不健康だね これはまた 根本的に 不健全だな
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