山駅舎 待ち合い隅の招き猫 左手上げて人来るを待つ
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引き出しに別れたキミの忘れ物 てるてる坊主のキーホルダー
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わが妻はわれ組長の名代で町内会の総会に出る
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理屈とは時に無意味で退屈で感情的になるだろうもの
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最後まで何を伝えたかったのか分からない本みたいな説教
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ありふれた変化に怯え不確かな愛を片手に俯いている
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枯葉でも腐り肥やしになれるのに憖腐らぬ私は最早
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罅割れた硝子の先に見えたものそれは「天才」そのものだった
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この詩は私達には分からない謎の痛みを齎している
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強くても優しくしても日を追って稚拙になっていく卵割り
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低気圧ならもうやめて もう少し腰も上がらず潰される脳
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赤赤とトレーにたまるドリップに溶け出していくお肉のたましい
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ブウゥンと薄暗い部屋に光る夜 電子レンジの気休めオレンジ
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濡れたシミ 壁に向く声めそめそと潜めぬ感情悲しみで染め
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君だけは偽物なんかに惚れないで 作った私に惚れないでいて
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最後の君 微笑み言った「ほら早く次に壊す女 探しに行けば?」
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早すぎた海の風を切符にして君に会いたい季節になったよ
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夕立に黒髪濡らされ俯いた ぺトリコールは嘲笑っている
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延々とくりかえしてる警笛の音がなりやまぬあの日を
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輪郭の延長線にある皮膚をちがう温度の皮膚でふさいで
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つなぎめを探して迷うゆびさきがリネンと皮膚のあいだをすべる
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人ひとり育て愛するそれ以上 大切な事この世にあるの?
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お風呂で迎える二十四時 灰被りシンデレラは今頃くつ落としてる
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斗も月も夜空に輝くものだから 私も死んだらそこに還るね
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3文字の春に生まれた花の名を 父が呼んだ母が呼んだ
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水底でうごめく者はいないからプールで一人背泳ぎをする
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勝ち越し打そして繋がる上り調子いいね奪回見えた乾杯
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メイラード、ドップラー現象、モロー反射、役立ちもせぬ知識の頭
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逆転で無敗続けて頂点にやる気上がっているまさかだな
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黒髪の麗人はそこそこ見かける六畳半神話大系
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