溶けていく私の甘い日曜日 きっと珈琲にも合うでしょう
1
母さんの車が来るまで十五分生徒玄関 二人の二月
6
春一番散歩に出たるその日には隠やかな風そよそよそよぐ
2
お別れの準備のために髪を切る いい風だ。さあ、好きなところへ
2
君のその まるい瞳の面積を 求める式を 教えてください
3
いつの日か存在だって忘れちゃう  筆箱の底の砂消しみたいに
1
両足と 歌をつむげる両の手を 持っているのに、どこにもいけない
0
障がいを 抱える者は 差別受け うつを患い 傷癒えぬ日々
1
「たましいが腐り始める音がする」「耳も腐ればきこえなくなる」
5
昔より 人畜無害な人のふりが上手になって 今日は飲み会
1
キムギドク 異端の男の 映画見て わが渓谷の 深さ知る夜
2
「おまかせ」というやつのうち八割は 最後に「違う」と口揃えて言う
0
君がため と歌ってくれる その人に もっともっとと 愛せがむ鬼
3
北陸の 重い空の下 君の肌 白く白く 一緒になろう
4
知らぬから 愛されている 知ってなお 愛してくれたら それは恋ですね
4
宇宙の 果てと果てとで 別れても 手繰り寄せたい それが君です
3
好きぼくたちに短歌はもう必要ないね たったひとことそれを言うのに
4
夢の中あなたと入る保健室 瞼の裏に困った笑顔
0
私を傷付けるものは余さずに皆消え失せよ 世界よ滅べ
1
美しくなくてもぼくは構わない君のくしゃみが春を告げるよ
13
君のその 袖から見えて景色は 今でも永久
0
わたし誰?いいえあなたはあなただよその微睡まどろみから連れていくから
0
あまのじゃくなもので流行りを追っている クラスメイトとよくすれ違う
0
月曜日 午前八時に訪れる カロンの客の ひとりがわたし
0
コンビニで ミルクティーを 買った後 必死に振ってる 君はなんだか・・・
2
弱っても弱ってもだめ死ねもせず狂えもせずに日はまた伸びる
2
ぬいぐるみ捨てるよりずっと簡単に  誰かの気持ち手放すLINE
1
分かってるけど分からないふりをする 君は僕だけ見ていればいい
0
飲みかけの温いミネラルウォーターを飲み干す きみはもう戻らない
2
ふたりきりのときしかやさしくないひとをあいせばいいのかにくめばいいのか
4