十一の 言葉をいえば 終わるはず その勇気さえ 出せない私は
3
ニキビとは反対側を死守してもきみが止めない根元のホルモン
0
ユメさんの夢の戸の鍵開けるためkeyボード打つ天才ハッカー
0
少しだけわがままな君と過ごすうち優しいふりに磨きかける俺
11
いつまでも 君の目と手が 熱いから ぼくはおにぎりを うまく握れない
2
あのひとが空も海もこわしてくれた青がきらいなわたしのために
2
出棺前ですか、も少し、待てませんか 今ならいい詩が、あぁ、駄目ですか
2
出勤前 頭の中で刻んでた ライムがチャイムと 一緒に消えた
0
もう僕の頭の中は空っぽで 指先のチョコレートも苦い
0
しろくまとツキノワグマが泣いている 星が狂って森が吐くから
0
ハーモニカ君のとなりで吹いていたあの日ふたりは潮騒を聴いた
1
思い出を悲しい順に並べたらつばさをやすめて眠りなさい
0
ジャスミンをまとわせ皺も干す前に洗濯機なら俺に任せろ
0
君にだけ 教えてあげる、ほらわたし ここのとこだけ 窪んでるの
0
矛盾と転がりながら命日を生きるため朝はれるや舌に
0
目薬を差した半目の虹は溶け涙で流れきみはちゃんといる
0
峡谷に落ちて挟まる腕は枷遺かせのこして還る隻腕せきわんの父
0
恋愛の真似事ばかりが上手くなり長い息継ぎ溶け出す爪先
0
わたしはね 自分で作るもののうち トマトスープが いっとう好きよ
2
破いたら どうしようかと思うのは あなたの歌と 本の帯だけ
1
上前を はねられてると 気づかない 白いピアノで ありたかった
0
心無き アンドロイドになれたなら (AIだって、歌は歌うし)
1
「今年はゼロかと思ってた」なんてこのチョコを数字で喜ばないで
2
マルボロの染み付く髪とてのひらと耳に焦がれる嫌煙けんえんの私
0
サンダルの少女ツユクサに足濡らし天上の銀河と交信す
0
屋上ではためいた旗にくるまって着ぐるみ少女はすやすや眠る
0
もう二度と流れ星には祈らない 君の呼吸が楽になるまで
1
ゆっくりと歩むあなたのたましひがずっと一緒にいられるやうに
0
拝啓 カール・セーガン様 僕には何よりあの子が眩しいです
0
すれ違う私の方が非力だろうけど高校生きみは歩道側を行け
1