青柳の糸吹き乱る春風にいかに縫ふらむ梅の花笠
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見渡せば民の竈に立つ煙霞に紛ふ春は来にけり
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サンキューの合図ハザード焚いときゃ何してもいいと思ってそうな運転
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可愛いは 漢字と片仮名 使い分け きみに使うのは 難しい方
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あさみとり霞める空を見上ぐれば軒より落つる雪の玉水
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バラバラに 刻み分けらる 塊も 名前がありて 尊かった
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ふるさとは霧に包まれ 如月のポートタワーは下半分だけ
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有りもので雑炊のような鍋のよな 寒い日だからそれでいいのさ
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水温む 川にオシドリ 雨の午後 春は近しと 知っているのか
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カチコチの輸入赤魚解凍し ああ北海道ふるさとの魚介が食べたい!
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昼カラで張り切りすぎた翌朝の満たされた感と少しの後悔
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整備士が癌で亡くした友偲び車も人も検査早めに
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カレンダー一月の絵が好きすぎてめくれずにいる三歳きみの専用
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リフレイン子どもが作った変なうた一人車中のBGMで
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画面越し翻訳された悪意とか 僕ら繋がりすぎて孤独ね
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花好きな叔母のお通夜に雨が降り 水にとけだす白梅の香は
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入門書いくつか読んで結局は感性かとなり我にないもの
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憧れを憧れのまま飾るのか 現実として手を触れるのか
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この歳で常識なこと飲み込めず 雨音だけが静かに響く
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2日ほど実家帰るので 野菜室 使い切り空に 主婦の矜持プライド
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真っ白なひこうき雲が空駆ける 子どもの輝く眼差しの先
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喜びと不安と心配織り交ぜた 気持ち隠して今日も母する
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カウンター隣は何を食う人ぞ来るまで待とうもう食べたけど
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如月の 怒りと吐き気 治まらず 君の霜月 つらかったよね
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雨避けてベランダ止まるヒヨドリのふくらと丸く春は足踏み
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猫の日を控えてニュースもねこまみれ いつもよりスマホチェックが長し
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ちま猫は あそんでほしいねこなので ねこ母起こす 朝の4時でも
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拘り強めキャンプグッズの店に行きいいね気分で帰ってビール
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にゃんこ達二匹で丸々くっついて ぬくぬく丸々顔擦り合わす
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住み慣れた家で最期の希望寄り添って在宅緩和ケア医は
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