僕だけの心的外傷ストレスを知ったフリして語らないでくれ
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雨風が窓を打つで目が覚めて眠気が染みゆき再びおやすみ
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少し蒸す位の頃にぱくついて ひと足早くキーンとなりたい
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我が犬はドッグランに向かう時後部座席で雄叫びを哭く
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八甲田雪中行軍像探し見つけたのは一人だけの像
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まだ白き 首に張りつく 黒髪を 振り払いつつ 馳せる思いは
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原色のワンピを買った勝ちました 私の夏はここに来たれり
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鳥のかげよぎるつかのま見しひとのおもかげゆゑにながくなげきつ
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私は失敗作でございますそれでも精一杯生きたんだ
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恋という千古不易の猛毒はまだ血清が見つかっていない
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携帯を半身と呼ぶ世代から充電切れの虚しさを知る
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熟れすぎて腐ってしまうくらいなら少女のままで死んでいきたい
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人を呪わば穴二つだと? いいやお前の分だけだ
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いかにして韃靼海峡渡りけむもろくはかなくしろきその翅
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頑張ってる 君にあげると 差し出され 何度言ったか それアレルゲン
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暴風雨 歩むだけでも骨が折れ 泣き泣き進む傘の葬列
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桜桃忌前夜に食べる甘すぎるロイヤルホストのさくらんぼパフェ
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音溶ける ドームの中の 広いそら 弾けた星は 私の中に
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卒業式 第ニボタンを くださいと 勇気出したは あの子のほう
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眠るよう死んでいきたいだけなのに朝日が今日も私を生かす
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タケノコがすくすく育ち砂かけのババアの粉に光る浅緑 
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かの人とおしゃべりをした一日はふわふわしてて頭回らず
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卒業式「一生友達だからね」と誓いあったのは絵空事だ
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群青の…と言ってるそばからその色をわからずにいるとぼしい私だ
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午前四時静けさと闇とディスプレイこれが永遠なのかもしれない
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あいさつをしてるそばから誰だっけ私の人生に必要ではない
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メイクして自分が自分でないように武装をしてから乗る山手線
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夏草が…とかで始まる風流な歌が目とか耳からうるさい
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あさなゆふなをやみなく降るさみだれのみだれてものを思ふころかな
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猫じゃらし 青く穂の出る季節になっても 帰ってこない猫もある
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