誰かという他人ひととくらべて幸せを思い描くがうまくいかない
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夫から吉報の有り「今日飲み会」 貰いし時間 如何に使わん
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雲間から 射し込む光は 天からの 迎えか 誰ぞ 召されてゆくのか
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この恋の行方も知らぬ我が身には 海月となりて闇を漂う
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コート着る行き交う人のその横で咲きし向日葵うなだれている
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子は巣立ち それぞれの地に 根を下ろす 遙かな地にも 広がるご縁
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肩こりは寒さばかりのせいでなく 毎度緊張 歯のクリーニング
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こまいのを落とした音を手がかりに探すも何処どこかすみと消える
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猫様は蛇口の上流で水を飲み我は下流で皿洗い居る
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ブーツ履き 上はスプリングコートなり 世の人々はダウンを着ている
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ハロウィンが終わると正月クリスマス 国民全部イベント屋さん
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取り落とす当たり散らして巻き込んでいくつ道連れ運勢計る
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老い友ら守られし籠の中のことあれこれ語るランチと称し
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よごと置く葉分けの露も染めざりし小笹が原の霜の花園
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秋なのに暑いと嘆き 三日後は 寒空睨み コート取り出す
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まあいいや 一人呟く おまじない 心に積もる 雪が溶けだす
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木枯らしは腕が立つ田の宮大工紅葉削ぎ落とす鉋びかんなもり
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夜明け頃 リビングの空気の冷たさに ねこが寒いかとまた一度上げる>人間は着ればいい
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「おかえり」と言えば待ってたことになる だから言わないあなたにだけは
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身をよじり 話題そらして 無視をして かわす言葉の後に口づけ  
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陰湿は 日本文化か Jとヅカ 秋風の下 溜息つきて
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あんなにも ヒントもらっておきながら 答え出せない愛が悲しい  
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あと少しあと少しだからと延命にドビュッシーを聞く ひとりの夜明け
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忍れど色に出にけり我が鬱は 医者に行けと人の言うまで
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かんせつの はれたくらいで めげている ますいもなしで 切るはつらかろ
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兵庫県 県花ノジギクは知っている でも県の鳥は はばタンがよぎる
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駄目なんて言われるほどに誘われる深夜の空腹満たす罪悪
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過去問の 答え合わせをしたとこで 夢と終わった愛は戻らず  
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初雪はつゆきや 初霜はつしもしかり 初氷はつごおり ところ変われば 初冬しょとうが変わる
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ゴミじゃない 誰かが書いた本だから 見られてるようで捨てにくいんだ
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