宇宙には神の技たる秩序あり 地球の上に神おわさぬか
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「あたら夜」と 銘打ち紅葉 照らされし 滋賀の古刹に 秋深まりて
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市電にて他人の会話盗み聞き幸せ吸い取るひるのごとくに
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春先の冬眠明けの熊みたく不器用な人をただ許す布団
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ときめいた言葉はいつもメモってる それでも短歌うたにするのは難題
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自分だけ愛すればいい?そのうたに小さな翅があるということ
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届かない貴方へ手紙書きあげる 横書き便箋びんせんインクは藍色あいいろ
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前を向き背筋せすじ伸ばして進んでく 恋をしていたあの頃のよに
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君からの電話はかかってこなくって 結局空振からぶ三振さんしんアウト
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体温計 そろそろ電池ヤバいかな 「33度です」私ゃゾンビか?(笑)
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初雪は今朝の日差しに消えてゆき 晩秋が見た冬の幻想
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傘持たずみぞれに出会うこんな夜は カフェ・オ・レの「レ」を多めで作る
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鍋肌におとす一滴立ち上る香りに少し浮ついた腰
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大鍋をかこむ旅団の尖兵はふつふつと煮ゆ具材をにらむ
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ありがたや 絶版本の 復刊よ 紙の重さも 味わいのひとつ
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ぽち袋集めていると言うと皆「金を要求?」誤解をまねく
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内容量減のきびだんご 絶妙な場面で裏切る子分
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どこでも いいよ(貴女きみとお値段以上に頬張れるしあわせ)
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いまは病弱なんだ 十円で開く実家のトイレくらい
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たましいを分け合うようなさみしさはあなたが生きた痕跡でした
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君を傷つけて廻りゆく世界に抗わせてよ 初雪は白
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どうせなら一緒に食べられる物がいい 家行くこうじつ 呼ぶこうじつ
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メグミルク牧場の朝のヨーグルト牛の絵和むなので買ってる
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メールだとあんなにきれいな文字なのに私が書くとすべて怪しい
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日が落ちて空気ひんやり 窓際のねこは寒くはないかと触れる
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明日からちょっと予定が詰まってる リポD・キューピーコーワで乗り切る
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草の上 恥ずかしそうに 跳ぶバッタ 道を間違え 手の上に乗り
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ズボン下ももひきと言う昔から履けばそこから冬ってことだ
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家の横 野良の子猫が 鳴いている あー困った きみは猫好き
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仏壇に家族が無事であるように 手合わせ願う願いはそれだけ
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