天国に一番近い君の腕 目が覚め握る白に抱かれる
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ミニスカートを履いた日に会いたくて君の乗ってる電車を選ぶ
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テンソルの深き森より立ち出づる普見者アルゴスの眼とDデジタル. レーニン
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実軸と虚軸の条里しろしめすe=-1聖なる式を乙女はひらく
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夢の中思い出せないあの人はこれから出会う人なのかもな
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ゔ〜〜んと時たま唸る冷やい箱明日まで私を匿い給え
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成分のメインが胡瓜のパックして浅漬けにされてるような錯覚
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日中に溜まって喉を焼く毒を化粧と一緒に溶かして流そう
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深き夜のラジオが話す「女」と「エロ」は遠くて少し不可解
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駆け抜ける朝の路地裏 自転車の風になびくはまっさらの髪
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パイの実が放り込まれた口内はお祭り騒ぎ ドンドコドン カッ!
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この体流れる大河の激流と地殻変動溜息台風タイフーン
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太陽の熱線浴びて染み付くは生きた証の地図かな多分
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十三時 ピアノの音もとけていく スイカバーからしたたる雫
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透明度うせつつ赤みおびてゆくえびのすがたをぢつとみてゐた
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階段を流れる水の冷たさに立ちどまりつつ森をみている
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「あの雲さ、夏って感じする」「わかる」さっきもしたね同じ会話を
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からころん 涼しくはぜる サイダーの 下から眺む 君の横顔
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水うてば土のにほひのたちのぼる庭にたたずむなつのたそがれ
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この星のまばゆい夏の引力で真桑瓜たち落ちては光る
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親戚の子供に笑いかけている まともな人の振りをしている
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仏像の花にアゲハが廻りける両手を合わせて祈る仕草で
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蝉みたく行動できたら大切に今日一日を生きられるはず
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まさをなる空よりせみのしぐれ降る夏たけなはとなりにけるかな
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どうかまだ眠っていてくれよと願うわたしの中のくりいろの希死
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小児科と内科のあはひかるく病む吾子とあゆめば片陰の濃き
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鎌倉の夏休みに思いを馳せて 漬物よそう小皿を選ぶ
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携帯をかかげた画面に映らない あなたがてる虹の先っぽ
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夏のやま飛行機墜ちて飛行機のかたちにもえて夏のやま哭く
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黄昏に輝く空と孫たちに囲まれながら安らかに死ね
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