いつだって「あなた」という名のさざ波が私の心を揺らして騒ぐ
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いつだってやらない理由を探さない、勢いに乗れ本能のまま
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しばしとてたちどまりつる夏木立英霊といふことばがきらひ
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ぱぁんと鳴り川下に散る花火追い人の歓声と拍手が沈む
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シネマでの止まない雨は青春か外は熱波で朱夏しゅか盛りなり
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最凶だ 歩きスマホ・タバコしている人を昨日見かけた
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人間になる直前のやわらかい俺がティッシュで潰されている
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あなたへと想いは向いていくけれどなかなか道は開かなくって
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夏の陽に照らされ作物もぎ取りし畑の後に夕べが迫り
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びんづめの あたしにうみ電子海に たゆたって とどかないかな ほんとのことば
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永遠の夜に立ち会う 病棟は/居酒屋は 身を誰かに委ね
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かわいさに負けそうになる毎日に負けたくなくて目線逸らした
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茹だる日にくるまる布団 君、透ける 爪痕見つけ熱は冷めない
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添へられしやさしき祖父の手の記憶はじめて鋸をもつをさなごに
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病室の窓から見える夏の空 どこかあなたの笑顔に似てて
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思ひ川わたりもあへぬ深き淵なつのをはりのあさがほの紺
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「ごめんね」と君に謝る その前に逢ってくれるか心細くて
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只無為に過ごした次の朝日こそ 夜にも増して闇を広げん
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(バオバブが本の端からこぼれだす)見えているから大切じゃない
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をみなごにうまれましかばそでぐちにレースの服を着なましものを
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入院は暇な生活だけれどもそのことこそが治療なわけで
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ぱんぱんと皺をのばして吾妹子のころもをほせばしろき夏の日
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想い人 恋い焦がれては 遠すぎて 夏風吹きて 憂うべきかな
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想い出に してしまおふかな こんな世に 愛や誓いのあるべきものかな
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まだ海を見たことのないときの海みたいにきれいだった初恋
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Yahoo!知恵袋に投稿された「死にたい」の文字だけ信用している
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ひとのことばかり考えてるひとのことばかり考えているひと
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あのマルはぽっかり開いて浮かんでるここそこあそこいつかのマル
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非常勤いな無常勤とやいふべけむさだめなき世のわがなりはひを
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団地から静かな子らの夏休み 青いクレヨン 凪いだ炎天
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