紫陽花にかくれて陰気な怠惰さがたゆたう六月窓に露がつく
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人々のあつい気配でかみしめるシュガーナッツが私の救いよ
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目を見ずに「お化粧室は」と尋ねるときのなんと自分の無機質さよ
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夏空よ私にこたえてラベンダー ゆらりゆられし吾のやわらかな髪
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コカ・コーラ ちゃりんと入れるその指をみつめておりぬ自動販売機
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ソーダ水飲み終えたならつれてってはじける恋のみどりみたいに
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潮騒のカーテン微々もゆらせずにしめだされいて都会の亜熱帯
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幸福なる陽もさしこんでフレンチトーストあなたの「おはよう」
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ねぇとよびとめては話すことないけれど振り返らせたいよる夜の道
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仰向けのせみが握った中指は終わるいのちにわずか震えて
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ちょぴちょぴと水が漏れてるかのように僕の時間は無駄に過ぎゆく
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じんわりと汗がにじんでいくような不安のなかで僕は生きている
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手をつなぎなみうちぎはにおりるよるうちあげられたいるかさがしに
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みなすべて  吹き散らされて   秋の風 なきごえなきがら この夏の蝉
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学校へ急ぐ制服見送った。18切符はまだ二枚ある。
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感情に轢かれた猿の臓物が五線譜上にまろびでており
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「おーいカラス」カラス黒いや舞台よね 今日も一役演じていたね
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あらざらむこの世のほかの花野にも咲きやしぬらむ曼珠沙華のはな
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今季初、駆け込み乗車のカキ氷。8月32日の夕暮れ。
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秋探し空を見上げてみつけたり ひつじの雲の広がりてあり
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僕の夏のすべてだった今日だってきみにとってはただの日常
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RADWIMPSを聴きながらひとりきりなぜだか君を思い出す夜
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来世では眩い葉月の陽だまりを歩くあなたの影になりたい
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海は多分己の領地を取り返す為だけによせてはかえしている
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夜が明るくて眠れないときみはぼくのほっぺたで涙をふいた
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風邪をひいたときに見る夢のような様相をした花が咲く庭
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エヴァンゲリオンの夕空の色した故郷へ帰る私の車
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言ひさしてふと口つぐむまなざしのひとみのおくのまさをなる海
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靴音は月を睨んで一つきりキライなものはキライだと言う
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まきもせずつむぎもせずに遊ばましガリラヤの野の百合ならませば
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