頭の中でまた蝉が「うるさい消えろ」 夏から逃げ出して東京 
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仕事以外楽しみのない人の買うコーヒー豆になってみたいな
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真っ正面高圧線をデッサンし幻の富士を背景にしつつ
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メンタルに夜長く効く冴えて昼 またこんな夜があるかと思うと
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ぬるい膜 ゆるむ繋ぎ目 絞った目 ぜんぶほんとでぜんぶうそです
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御巣鷹に逝きし友の忌ちかづけばおもかげいまだ若かりしまま
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雨降りのにおいが君を連れてくる別れるまえの重い気配と
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思い出を小さく分けて振り返る愛のしるべ ヘンゼルとグレーテル
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甘いタレ土用丑の日ウナ弁を食べて真夏日乗り越える力
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あなたには私を好いていてほしい そういう私はそれほどでないけど
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|| 目に見えて || いないものも ||    || 隙間を埋めるのも || 愛であるから ||
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I want you to be killed by the man who is very similar to me.
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夜な夜なと親に秘密で食う菓子が11の身体に精気を灯す
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真夜中のブラックライト暗闇で好奇心は幽霊をも殺す
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満たされない気持ちを自慰で誤魔化して何千億もの自分を殺す
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頂上で飲んだコーラと汗の味 下り四キロあと二、三口
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炭酸と一番安い棒アイス 幼い記憶に亡き母と臨む
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キンキンに冷えたグラスの泡々が選ばなかった私を見せる
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温めると気が抜ける炭酸は私とどこか似ている気がした
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爽やかな夏を光らす汗よりも彼女を感じた 「シー・ブリーズ」   ベットの上で
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好きだったひとの匂いを思い出す感性ばかりちびてゆく夜
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少年よ此処でノビルをとった日々 スニーカーの裏にピリリと辛く
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傘の裏 胸の扉を叩く音 梅雨前線いま通過中
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目の前で帯がほどけていったときようやくぼくは覚悟を決めた
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あの列もタピオカこの行列もタピオカあの列はチーズハットグ
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永久に歯を磨いていたい夜は懇願をした君に会いたい
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恋しいと思う間もなく取り上げられたサイリウム 君に似ている
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二十三世紀でもまだひとりだが散歩みちにはシャクナゲ香る
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沈むもの君が傷だというのならわたしの浮かぶこれは何だろう
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君が代を貫き通す花はなし はやく枯れ死ね種も遺さず
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