夏雲のような埃を食べたまま掃除機だけはあの日のままで
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母と娘がふたり暮らしで喧嘩して成立しない判決もある
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そんなこと言ってもいいのわたくしにあんたの棺桶チープにしてやる
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ヒールで転ぶのは右足の小指から 元の背丈に戻ろうとして
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触れられてやっと気付いた境目は 放っておかれてすぐにぼやけた
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ぴるぴるとトマトの皮を剥いていく個を保ってるギリギリの肌
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布切れに 命託して人々は 今日も押し合い戦地へ向かう
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ふるさとの港の虹が 客船の 船出を祝う 豪華な共演
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ピアノ弾く君の大きな手と指に、全てを込めて「蜘蛛みたい」とだけ
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指で以て詩を確かめる未明にてレモンピールを浮かべたそらよ
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かぜとおしのよいあたまになりました(わすれないでね)(わすれたく な い)
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ねこおもちゃ 1個がときどき見当たらない 探してしまうよ 夢の中まで
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love song 歌うあなたの横にいて  思う相手が 誰か聞けずに
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猫レベルのビルの隙間の所から笹色の風さし招く朝
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我が息子 逞しき姿 有り難き 皆に感謝の 思い溢れる
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若き人 迸る言葉 湧き上がる 我も続かん 思いの限り
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久しぶり 会った貴女の 笑顔見て 昔の頃が 思い出される
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窓際で夏の終わりの風を呼び胡坐に乗せて子の爪を切り
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病室のカーテンは薄い緑で 貴女の体温を透かしている
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靴下に穴 両足で神経衰弱してる 夏休みが終わる
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All the things you know is beautiful. But you never die. It's your fault.
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親友のお見舞いにいく 溶けそうなまひるの月を絹でつつんで
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生きている間に読んでしまうぞと 晶子の源氏を古書店で買う
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12年前に来たなら会えたのに 8歳の僕を恨めしく思う
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making something to eat at lunch. My constructs in my previous life.
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searching for a name to come after HOW ABOUT for over a decade.
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ドアノブカバーに原因のある 破綻した男女二人の生活
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女の涙の中にある世界では 切ないサウンドでフルートが響く
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イケアに売ってるデカい鮫を抱いて寝る こんなに幸せで こんなに悲しくて
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カレールーを入れてしまえばそれまでの 妥協というルビの似合う我が生活
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