Utakata
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真夜中の気持ちを言葉にしていきます
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送信を取り消すボタン見つからないあの日の焦りもう懐かしい
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抱きしめて蹴っ飛ばしては抱きしめるそれが私の初春の毛布
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寄せ書きを馬鹿って言って打ち捨てるそんなひとになりたかったな
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今晩もあなたは背中むけたままブルーライトを目に点滴する
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オリオンが きらきらきらと またたいて ハイオク注ぎ 見上げる空は
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牡丹雪が スマホ画面に 落ちてきて フォント歪ませ 「もう読むな」
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しゃくしゃくと 街灯が照らす 雪道を 背骨を曲げて 歩む影たち
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雨音と 「いまからかうる」 の誤タップが 夜道の冷気 布団に運ぶ
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夕闇と テールランプと 「きぬた歯科」 助手席をみる 勇気はなくて。
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宵のうち モスキート音を くぐり抜け ビール差し出し 「あとファミチキを。」
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助手席で 日付を越した あの夏の 記憶が沸いて 布団をかぶる
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ああ大変 洗濯物が 濡れていく 気づいていても 身体動かず
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知らぬ部屋 ソファで迎える 夜半過ぎ 記憶辿って 唇を噛む
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ネトフリの オススメ!欄を 回し切り ホームボタン押し 布団をかぶる
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カラオケの ベタつく床を 連れてきた スニーカー脱ぎすて ベッドに倒れる
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朝焼けが 車窓の中で 動き出す 午前四時半 渋谷〜原宿
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青白く 光を放つ 冷凍庫 丑三つ時の アイスクリーム
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やけ酒と 少し似ている ロキソニン 痛み隠せど 病を消せず
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洗濯機 乾燥モードが 終わる前? それとも後か? もうすぐ寝そう
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ああ寝そう その状態に 気づいたら あと2時間は このままなんだ
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現し世で 涅槃に最も 近いのは ドリンクバーの あの待ち時間
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遠雷が 遠雷のままであるならば 今夜の僕は ラジオを切ろう
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室外機 油の臭い 湿った窓 思い出せない 何かの記憶
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ああ夢か 最悪からの 生還を 噛みしめるべく そっと手を握る
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立ち止まり ノイキャン止めて 見上げれば 水を孕んだ 灰色の膜
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磯の風 遠くで死んだ 生きものの 臭みをのせて 初夏の千代田区
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ごめんってば 自分の寝言 脳を突く 数分ぶりの うつつの世界。
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かさぶたを 剥がしたあとを 見てみたい そんな気持ちで 「いまなにしてる?」
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スワイプを 止めた親指 憎らしく ベッドに投げつけ 私は何を。
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懊悩は オフタイマーを追い越して 午前三時のベッドを濡らす。
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