タスマニア
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一日一首生活

目も合わず通り過ぎてくその視線 水難事故とアイスクリーム
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目眩く流れる時代に身を投げる 思想も忘れ息もできない
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蝉時雨下駄の音色と消えゆくは溶ける氷と同じ速さで
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錆び付いた短刀のようなこの言葉 いくら吼えても心臓に届かぬ
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故郷と後悔の念を置き去りに独り踏み入る遥か彼方へ
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黒い腹錆びた手首と碧い木々 後悔重ねて目薬は沁みる
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今もまだ煙を喫んで痛み出す 浅き夢見し君の隣か
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食傷の霞んだ部屋にただ一人 味方するのは傷口の赤
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青空と僕との間に虫眼鏡照らしてくれよ灰になるまで
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