この道を知ったつもりになっていて 君に聞かれる明日の予定
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ほんとうはそんなつもりじゃなかったの 「お疲れ様」も 貸した資料も
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僕は今どこに向かっているのか と問いたくもなる8時の電車
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日常から重心はずれのすみずみにぽろぽろ落ちてるわたしのかけら
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「スイーツは嫌い」と食べずに残すのにバレンタインは欲しがるあなた
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「山が海が美しすぎる」と繰り返し呟きながらビル街を這う
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「有罪?」とねごとできみが聞いたので返事はせずに抱きしめてあげる
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好きな人が別人のようになった それは失恋と同義ですか
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イチジクの葉は遠くからみてもそれだと分かるから呪われた
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サクサクと君と歩く草むらで右の手の平汗ばんでいる
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ストロマトライト/素粒子観測所 ビットマップと伸びゆく指紋
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同期する青の光を捕えこむ フォンタナと共に祈りを込めて
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君の好きな映画の続編を観に行こうと言えぬコロナ禍の夜
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猫砂を一度買ったことを猫の死後も憶えてくれるAmazon
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2DKをシェアして暮らすネトフリの視聴履歴を二人の子として
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「東京へ行くんだ」「そっか」告げる君言えず飲み込む「連れて行って」
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匂い、味 見た、聴いたもの 君すべて 何も合わないそれすら愛しい
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帰り道たったひとりに向けられた笑顔は名称未設定のゆめ
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酔眼に躍る麒麟の凛々しさよ 明日は月曜 背伸びをしてみる
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コーヒーの色に最も近い黒 何かと探し秋の夜は過ぐ
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昨日会い今日もLINEで会話して会いたさ溢れる日曜の夜
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ロマンとか要らんよ、うまい飯食ってお風呂上がりに桃鉄しよう
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アキアカネ、ツクツクホウシ、キリギリス 五感に沁みる 季節の移ろい
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林檎には芯が葡萄には種がある捨てないでくれ母よ心を
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近づけば近づくほどに遠くなる君の心はどこにあるんだ
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手に提げたビニール袋がどちらかといえば私を連れて帰った
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虫さされムヒを塗りつつ思い出す昨日の夜君との花火
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「お疲れ」や「忙しかった」と交わすLINE 気づけば日本酒 半分空けてる
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「寒さむ」と声があがって身が震え秋の訪れ感じる早朝
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五輪見て「自分も出たい」と語る子の 机に運動会中止の紙
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