ここ離る 歌人を惜しむ短歌うた多し 若くも貴方は徳ある人なり
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明日あしたから職場に復帰自信なく なんとかなるかの呪文を唱え
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どの人も俺をペロリと舐めていくおおあなたがたは一体犬か
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筆箱はカバンの中にあるだろうと思っていた私を恨む
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短歌うたのみで繋がる温かな世界で別れを惜しみ出会いに感謝し
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る人はにも素敵なを詠む 残を惜しみ訪を待つ
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こんな午後こそ 京都で作った陶器をなぞる つるつるザラザラそのあとは
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家にあるエコバッグの山 目に浮かび「レジ袋ください」が涙声
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あなたに初めて褒めてもらった服を ほんとうに気分がいい日にだけ着る
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真似したい食べたい見たい触りたい「たい」につきあうママ休みたい
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要求を分かってやれぬもどかしさ 老犬何かを訴え続ける
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夫の指す木の根に寄りてひそと咲くヒトリシズカは秘め事抱くか
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風通る木下の闇にひっそりとヒトリシズカの葉のつややかさ
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蝶さそふ黄檗きはだあいらし金魚草きんぎょそう 触れては知らめ 雨の訪れ
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あの月は踏み切り前に佇んでわたしの帰りを待っているのです
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プレゼント受け取るための空間をカバンに詰めていく誕生日
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母の社交 ヘルパーさんにケアマネさん あとはお医者に 配達のお兄ちゃん
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とりあえずおしゃれ着洗いはしたけれど 色々出遅れ パン屋は行けぬか
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口癖がミニマリストな友人のアナログ時計が光を映す
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出来の悪い 夢みたいだなと そう思う こんな奇跡が 起こるだなんて
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疎開せし お子へのふみは母御の愛溢るる文字で綴られて居り /原爆資料館
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月を見る あなたのことを思い出す  美しい夜 美しい人
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失った 感情ばかり 数えては 投げ捨ててまた 拾っては投げ
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どれもみな 十字にかがやく 星のに 神しかいない たましいの世界
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来客でねこの背中がまるくなる 保険屋さんだ ねこ母と寝てよう
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理由なくキスしてもいい関係をこの朝までは信じてこれた
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「やらないといけない事」ならいくらでも「やりたい事を」の占いに困る
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ごうごうと叫んでることこれが雨 雨で見えずと君は言うけど
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応援す飛んでいく鳥のあとから少し遅れて飛んでいく鳥
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嘘にもう慣れてしまったこのこころリサイクルせず捨ててしまって
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