シルエットだけで姉弟ふたりを判別す カーテンの向こう あのはだあれ
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とは言へど お気に入りの牛乳やつはあるもので たまにチラシに載るとスキップ
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牛乳のメーカー特に決めなくて その都度安いの まぁほぼ同じ種類おなじ
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家中のエアコンフィルター水洗い 春と夏がせめぎ合う隙に
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草刈りで消えてしまった蒲公英たんぽぽも2日あとにはまた咲いており
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よくもまあ言ってくれたね煙たいと 私は煙ではありません
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我が事かと見まがう短歌うたあり胸騒ぐ 猫は何度でも着替えてまた来る(チョコレートミントアイスクリーム様)
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口元に残るビールの泡のように あなたの想いが消えるのが怖い
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「久しぶり」その一言の裏側に僕が知らない 数多の別れ
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お互いに通って過ぎた季節ときがある この季節へと捨ててく想い
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環八に舞い降りてきた天の河 僕も川面の光となりゆく
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春なのか?陽炎の立つ駅 独り 乗り遅れてた春色の汽車
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春霞華と同じ色の空美しいまま散りゆく桜
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はらはらと 桜並木に 散りぬるを 空仰ぐきみの 春は遠くに
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怒りたる 宗田翁書く 大人には 悪意と狡き 今も表し
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もし花が青色ならばお別れは少なかったか考える春
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ゆで卵ひらけば花だ春めいた器にミモザサラダの園生
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あなたがね楽しんで笑うそれだけで周りを照らす光になるんだ
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うれしさのポップコーンははじけ咲く花、再会の春にあわせて
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雨降ると代わりに泣いてくれているような気がして心落ち着く
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文旦を剥く朝が来た今日こそは 私も食べる幸せな朝
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過ぎし日の あのひとこまを詠みたくも 言の葉が出ずボールペンカチコチ鳴らす
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もろこしへ船路はるかに霞むめり松浦の浜の春の曙
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親竹は 竹の子の為 葉を枯らし 黄色くなりて 我が子育てる
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土さいておちこち角だすすずらんの芽ぶく鈴の音ほのかに聞こゆ
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ひとしれず 終わる命を みおくれば 辛夷こぶしの枝に 白く珠成たまな
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スマホにてベトナム人に問診する我はAI時代の医師なり
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労働も、家事も、選ばれぬ苦しみも、全部丸めてゴミ箱にポイッ
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雨はもう通り過ぎたか しんとして 車の音だけとおくに響く
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オナカスイター ねこ母をしきりにかじるので 腕には内出血の痕が(苦笑)
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