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読みきれぬほどにメールはくるけれど一番ほしい君からこない
18
熱狂の抜けぬまま乗る満員電車 お気に入りのユニフォームと一緒
5
街道沿い 山中腹
(
やまちゅうふく
)
に海を見し墓は立つなり船守るごと
22
やせいって ニャンだったっけ それおいしい? ねこは寝こけて おくちもあいてる
14
音も無く
陽炎
(
かげろう
)
ゆれる濃い桃の
百日紅
(
さるすべり
)
咲く 誰も居ぬ午後
49
今の俺 替玉なしで足るを知る 昔は
見栄
(
みば
)
を思はざりけり
7
容赦なき群青 二の腕まで褐色の ポニーテールのライフセーバー
7
初恋の当時はレモンの苦さだけ 今、過ぎてく日々が甘く美化する
7
天も身も地続きなのに暦だけ区切られ、六月 乾きを引き摺る
8
曖昧な言い方されてもどかしく令和だけれど心は昭和
11
立ち枯れの枝葉に芽吹く翠翅諸声染みて夏かさね着る
8
家の前紙飛行機を飛ばす君ささやかな一時夏の1ページ
8
ねこのまゆげ かわいいだけじゃないんだよ めをまもったり だいじなやくわり
10
爽やかなハーブの入ったマスタード 夏の朝パン 相応しきかな(フランスパンとウインナー)
11
手で書いた「排水禁止」に色を塗るこんな事でも少し楽しい /排水菅更新工事
14
理想を押し付けたりとかしないから ほら笑ってよ 私のために
5
寝る前の 千夜一夜を 過ごしたい 枕元置く 夢物語
8
「暑くても食べらさるしょ」の祖父の字と富良野メロンのあたたかき涼
30
新年を迎えていないカレンダー。 友が笑って光る紫陽花。
9
なにゆえに歌わざりけり反核を広島グリーの青春の殻 / 男声合唱団と広島を思う
11
窓開けた瞬間熱々蝉シャワー浴びてたちまち夏にびしょ濡れ
18
お祈りメール 合わせられた手に中指
4
生活が重なる瞬間 音だけの花火に足をとめる人々
13
「胃の中に、緋色の蛙飼ってます」「俺の哀しみ、呑み込んでくれ」
9
行き違う 二人の心 重なりて 闇夜を包む 夏の星雲
12
水風船/見張り番 おれたちだけがスーツを着て 夏の暑さを待ち構える
6
人生は戦いと言えばそう生きて 美しいと言えばそう生きていく
8
シャワーでも酒でも洗い流せない冷めた衝動溜まる空っぽ
9
わたくしを毎回泣かす玉ねぎを戦闘モードでみじん切りする/題『切』
12
この手紙最後だとしてもまた食べてしまうのだろう黒ヤギさんは/題『だとしても』
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