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本当はね 蕎麦よりうどん好きだけど 言っちゃいけない 東京っ子は
9
連ドラを一、二話飛ばして見てるよう 接ぎ穂に惑う孫との会話
10
草むしり汗かく吾を労うは薄紫のじゃがいもの花
13
水吸ひて重く湿った雨後の森 地図と磁石で辿る杣道
17
きまぐれの炭酸入りの甘い酒 5月の風におくびを放つ
11
藤棚の
香
(
か
)
の下 余韻に浸りをり
数多
(
あまた
)
の
国宝
(
たから
)
に酔いしれし後 /奈良国立博物館『超国宝』
17
車椅子通れぬほどの通路なら「ごめんなさい」はいわなくていい
5
だいぶ前通った内科がつぶれてた俺の頭痛の記録も消えた
5
ベランダのツバメと君が話してる ここにおうちをたててもいいよ
13
あのころの未来をいまは生きながらまだわからない人や愛とか
8
夏と冬 苦手な君が息を吸うように呟く 「猫になりたい」
10
行きしなは我振り返り帰りには妻振り返るふたり来た道
14
暮れ
泥
(
なず
)
む皐月の運ぶ そよ風は ハナミズキの
薄紅
(
うすくれない
)
揺らす
18
大好きな酒場で飲もう テラス席を予約しよう 春夜の涼しさに誘われ
3
採血しだるさたまらぬ帰り道言い訳で買うかっぱえびせん(
380
kcal
)
19
これ見よと満面の笑み芝桜世界の子供しあわせ願う
6
休日期間の雨模様 おでかけできないけど猫といられて
50:50
(
フィフティー・フィフティー
)
5
春ゆうべ 全ての不安棚に上げ 檸檬酒でも
飲
(
や
)
ろうか
3
古くてお洒落でもなく小さい辺境の我が家 いい風が部屋吹き抜けるだけ
4
産まぬこの身も触っていたいんだ命に
2
反省をしてるだろ!って怒鳴るけどその主導権あなたに無いよ
13
掃き集めすれど猫の毛飛んでゆく生きてるように逃げるわ逃げる
16
ジャスミンの 花の香りが 風に乗り 五月が来たと 告げる帰宅路
25
いいんです、分かってなんかいりません 歳のせいです分かっています
9
薄紅の ハナミズキ咲く 五月晴れ 春から夏へ 橋渡す花
11
八月と山似合わない君だけど
向日葵
(
ひまわり
)
だけは似合う気がする
4
赤ん坊の泣き声と踏切を過ぎる音がした あの日の夜は
2
やわらかい毛布のようなきみの声
柴染
(
ふしぞめ
)
の瞳硝子みたいだ
4
新しい彼女ができたら追い出して気づいてた母散れど守れず
3
五月晴れ束の間なるや 空見上げ 天気予報としばしにらめっこ
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