本能と脳を直接揺さぶる香り 残業後の君のワイシャツ
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チグリジアを見つめる君の緑色、抱きしめたい愛させてほしい
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男ならラップできるだろ女なら短歌詠めるだろ、なにそれ怖い
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食材を切っては鍋に放り込む、人生はそう私次第だ
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三日月の孔に嵌まりて首吊りて振り子のように揺れる心影
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持っている言葉の数が少なくて、今は死にたいしか浮かばない
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食卓を飾ったままの愛の色 羽根よりも軽くなりたかったの
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感傷はいつかの私の感情に干渉せずに桜と消えた
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近づく日恐れ全てを投げ出して バラバラになって消えたくなる日
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簡単に「〜すれば」と言うけれど やれるならまずお前を殺す
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ぷすっと刺し すぽっと取れる 感触を楽しんでいる いついつまでも
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おのこ生きただひたすらに夢を追いおんなはひたすら命を繋ぐ
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‪ふり仰ぐ空に電線スパゲッティかくもはかなき命綱かな‬
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ほらまただ瞳の中で星はじけ君は画面ばかり気にかける
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肌を突き刺すような雨のなか飛び出したセーラー服を忘れない
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吐くことも出来ぬ勇気を励まし明日も 夢の中にてもらいげろ
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金なんてとっくのとうに使い果たした 今日も晩飯は並ばぬ食卓
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ふと触れる 肩には春のひと吹きなびく 誰もしらない花弁のゆくえ
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言えなくて手紙を書いたことがある ちり紙にしてすてられたけど
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なぞるのは見えない君の輪郭としあわせ探す私の感覚
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春先のほのかに笑んだあたたかさ それは昼時の微睡みに似た
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悲観して貶して沈むようなひとくるしいだけで生きてはゆけぬ
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まだ起きている子が目あきて見る夢のうさぎの尾には甘き味あり
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明日もまた馬車馬のごとしの更けに灰皿につ灰がこぼれる
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春の雨 モノクロームなこの街を私は今日からふるさとと呼ぶ
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枯枝に番いの鴉寄り添いて 間近でみると可愛い貌だ
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バイロイト「指輪」ラジオにながれつつ煮しめくろまめ炊く年の暮れ
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多分今観音坂に生かされて走れと背中を押された気がする
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君を知り綺麗になりたくなったのに、嫉妬が私を醜くするの
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何もかもあの日から全て狂ったやり直したい君を知らずに
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