家の中気を使われて俺一人加湿器ばかりコポンのたま
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蚊帳の外このまま部屋に留まればコロナと共に消える己が
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父辞めて居候などなったよで自分が自分でなくなる心地
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出られないではなく出ない引き籠り忍耐力の修行のようで
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こんなにも荒むものか、と寝転がり三十一文字に浄化して吐く
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明日から同じ気持ちで笑うのはすぐは無理だな、閉じ込めすぎた
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ひきこもりニート病人不登校少し分かったハミ出る孤独
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自堕落のような暮らしの最終日防いでたのかだらけてたのか
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北風がそっとスイッチ押してゆき木々にぽつぽつ灯りがともる
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深夜二時 オリオン見たり 南東に 十月半ば 冬はすぐ来る
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どなたか一緒に行ってくれませんか、賞味期限の向こう側へと
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勇者ではないが村人Aなりの日々も案外楽しんでるので
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かすれつつ経路を上書きするSuica  なんか恋愛みたいでいやだね
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みそ汁へたっぷり入れる鮭・やさい狩猟の民のすえなる夫へ
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春さくら秋キンモクセイ追いかけて生まれ変わったらここで会おっか?
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紅葉は、目で吸い込んで、心で味わう、コレも秋の味覚です。
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雨の午後 ミント緑茶でサッパリと 紙コップでも気持ちは優雅
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秋の美をいずれか1つ盗れるなら  金木犀の香り缶詰
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あの人と別れしときに あの人と出会う前には戻れぬと知る
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我が子らの 幼き頃の 夢を見て 何と可愛い 親馬鹿なれり
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早口で 手術すすめる 担当医 心の動揺 半日続く
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怒るでも笑うでもないそんな顔 生まれて初めて乗るブランコは
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天然の ちゅるるんリップに 見惚れつつ よだれを拭う 午睡のひととき
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こりゃひどい 揃わぬ針目 ちぐはぐで 「才能なし」を 自覚する秋
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我が名から一字奪いて消えし人 それでも良いと思えしファミレス
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秋の日に 声変わり混じる 歌声を ホールに響かせ コンクール終わる
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過ぎし日の 黄色い帽子の あの子は いつの間にやら 十五となりぬ
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詠むことにカネはいらない こころだけ 強いて言うなら死ぬほどの寂
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風神は南に向けてカゼ放ち冷気身に沁みアカマンマ揺れる
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菊の花目指せし若き人馬への声援止まず大いなる希望
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