心地よき歩調を越して吹く風のゆくへは誰も求めぬ今宵
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雪の中 埋もれそうだと払う手があなたならばと目を閉じ揺れる
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あまたある浮き世の無をば無とせずに面白がりて暗がりに酔う
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思い出を二束ばかし汚されてまたひとつひと嫌いになる日
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もし二度と逢えないのなら今はただ笑顔見てたいと言う君が好き
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たましいに多分似ているさみしいを抱きしめるからおやすみ、世界
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親のない吾が犬吾に噛みつけり我は親には今夜も成れず
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夢を持つただそれだけのことだから大事に大事にかくしておけよ
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南へと渡る鳥の夢を見る枕の脇に歌集を伏せて
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父と子がカイト飛ばして声を張る冷えた強風つよかぜこれも良きかな
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きみに降る雨になりたい叶うなら振り向きざまに刺されてもいい
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かじりつき テレビの中の イケメンに 恋する私 現実遠く
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気になるな やけにアイツが 気になるな 何かが生まれ 育ち始める
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就活の 地方格差に 負けないぞ 深夜のバスで 戦地に向かう
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自販機のHOT(一息) 釣り銭を取る指先の冬は寂しい
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てとてをつなぎ飛べたとき めとめをあはせ墜つるとき 晴、こんなにも
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墜ちてゐるぼくらふたりの下に冬、さらにおほくの白きものたち
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なにかいま崖の上より駆けて来ぬすでに終はつてゐた冬である
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おかしいな 今日はなんだか重だるい そうか 雪かきしてきたからか
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かみさまに懺悔をしたい人たちがひとりずつ乗り込む観覧車
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いつか死ぬことの光に照らされた36度が甘く香った
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踏みしめた水溜りから伸びてきた思い出さない昨日の話
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ひまわりを花束にして君に贈る「知ってる? 黄色は裏切りの色」
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幼い日歌った言葉を口ずさむ さよなら三角また来て四角!
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ゲレンデに溢れる光の粒たちは手をすり抜けてそらへと還る
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寂寥セキリョウに暮れて 負いたる背嚢に 我が脊梁セキリョウは ぎしりと鳴れり
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戻れない過去が広がる(波の音)時計の砂はさらわれつづけ
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あなたがいない夜だから約束ね 死にゆくわたしをそっと並べて
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さようなら顔も知らない天使たち きみらの女神はただの人間
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しきたりを 打破することも 必要だ 人の命に 代替えはなし
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