電車待ち曖昧な場所に並んでは割り込みするヤツが落ちる地獄
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来世では 人より猫に 可能なら 溺愛される 家猫で頼む
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包丁を入れればすっと胸がすく 紫紺よりず茄子の白さ
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ちま猫ちゃん 静かじゃない?と心配し 大丈夫 ちゃんと賑やかだった
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悩んでも 一番若い日 今日なれば やるもやらぬも 悔いなく選べ
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初夏の陽に照らされ透る君の肌 まさに白桃かじりつきたい
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理由わけもなく寂しさ募る昼下がり 君の勧めた紅茶を淹れる
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人生は加速度的に速さ増す 親はすぐ死ぬ 君もじき死ぬ
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クラスにも君の横にも都会にも見つからなかった私の居場所
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目眩がする境界が揺らぐどうでもいいから手を繋いでほしい
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まだ死ねないとカッコつけていながら毎秒破滅的に生きている
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目眩で立ってられないけど大丈夫電車に飛び込んだって死なない
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🗻富士山も、とうとう予約制となり、入山料金もクレジット、ホテルなみかな
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止まるのが怖くてずっと走っている止まって地獄に戻ったことがある
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オーロラ、太陽磁気嵐、目に見えない素粒子のシャワーをあびて
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Googleで 検索したら いちばんに 出てくるような 恋をしようよ
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早朝寒かりし、午後熱くなりて候う
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捻りだしいいねイイねと独りごち 三十一文字でナルシストになり
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アスファルト 地面の隙間 ものにして 太陽見上げ 生きる命よ
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抽斗ひきだしの奥の指環が見る夢は青い飛沫しぶきがあがる公園
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健全な生しか知らないてめえにも聞かせてあげたい心臓の鼓動
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人生が全部どうでも良くなった人にだけ訪れる最強
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もうあとは信じることしか出来ぬのに たったそれだけがいちばん難し
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破滅する時はするからほっといて 何かできるとか思わないでよ
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若冲じゃくちゅうにわとりは夜ぬけ出してとなりのちょうついばんでいる
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本気です 覚悟はとうに決めている 背中の羽が見えませんか
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蝶々見て 命の重み ふと思う どんな命も みんな必死だ
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沖縄の守礼の門を輝かし 2千円札 今も健在
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そら高くそびえるダイダラボッチ見て目の前にいる自分が見えない
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春の日の泣き出しそうな空の下 娘の手を引き家へと急ぐ
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