お花見もひとつくしゃみの爆風で杉の季節なり花びらが舞う
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「詠歌大概」ゆきなやみつつよむ日々の春のはじめのゆきやなぎ咲く
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ツイ消しの季節はついにやってきて 風にあらがい生きていくのさ
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買ひ物の不便な街に住みなれてひと駅ぶんの散歩楽しき
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憂ひ患ふ こと無かりしが  首の根の やはらかき場所に 赤斑出たり
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xenonきせのんの 光は消えし 蒼鉛に 人が死にし 崖にしあれば
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タイム、セージ ローズマリーとタイム以て 「絶望せよ」と 我に手向けよ
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今日の夜黄金糖が降るでしょう籠と傘とをお持ちください
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大きな手で包み込んでよ眠れない夜の閉じないまぶたをそっと
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ふたりで同じ銘柄を吸うくちづけが一緒の味でとろけて香る
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植物が似合わない人だからこそ誕生日には薔薇を一輪
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さりげなくおんなじロゴのニット帽こいこい寒い風の強い日
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自撮りして映りがいいのを送りつけ可愛い子だと錯覚させる
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ほのかにぞ寝覚めの床にかをりけるきみのたをりしフリージアの花
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呪いあり生け贄ありのプロレスを今日もするなり月曜の朝
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手のひらをがっつり広げあふれる陽サンサンサンSUN燦々すくうタンポポ
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悪の親玉が この世にいるとは つゆも思わず 分類化を考えて そんなじぶんを遠くから
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夢をみる なにかを求める 胃のあたりの 締めつけられる 苦しみと学びと
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口癖を 忘れるほどに 遠くにきて それでも思い出す 後ろから見る顔
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忘れるだけ そばにいなければ それを今でも あの空気 そしてあの感情
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あったかいことはまったくいいことだ ダウンコートはまだまだいるぜ
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まどろみのふちにはあなたがいると聞く不眠のぼくに呆れ笑って
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我想う 永遠(とわ)へと続く 道の果て 心に描く 幸せの幻想(ゆめ)
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我笑う 人の作りし 物語 常世の全て 忘るる時まで
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手毬唄うたひてかへる子どもらの影ながくなる春の夕暮れ
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雨の音 心模様は 土砂降りで 胃の痛みと リンクする
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いつの日か時の終はりの来たりなば絞り芙蓉のままに朽ちなむ
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月見えぬ夜は心も尽き果てたい心の曇りも晴れることなし
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想うときグレープフルーツすくうよう甘みと苦味そっと噛み締む
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明日からカーキ色した傘がないトトロになってバスが待てない
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