ひたむきで 飾らない部下 色つけたい 考課こうかと ひたむきに飾る
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勝負時 中途半端な鎧着て戦ふ善人は槍やりも短し
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眠れないからまたナイトタイムエコノミーだ妻を起こしてビール
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生きづらき環境ならば死に絶えむ生物誕生以来の定め
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驚異の先手勝率悔いのないようないい判断の将棋になった
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カープ男子は今夜も勝って「X」に投稿ボツにならないいいね
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チビ猫を 一日ぶんの愛情を込めてナデナデ 寄り添われ寝る
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過活動膀胱に泣き二十年治してくれる医者いませんか
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ALSの妻の奇跡が起きるまで面会じゃなくデートしに行く
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ご当地ソング作詞旅好き妻は今病室撮ってきては見せてる
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投げやりな気持ちでしか乗り切れないな ひたむきさって一体何さ
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フィルターをかけたような空遠い星 あれは前世のわたしの故郷
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五月雨がなにもかもを流し去る 手紙も声もだれかの恋も
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半分が植物だったハンバーグが動物になるいのちの連鎖
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共に居て ならましものを 一念も 先を生きたる 君が知る辺に
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ぼくの夢ふわりと座るきみのかげ微かに香る初夏の夜明けに
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何者にもならないという幸せがある 今日僕は僕になったよ
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目を瞑る沈む体と浮く意識宇宙になった布団はとける
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かなしみの涙を流す内臓にそっと触れ添う心蝙蝠こころこうもり
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青空を邪魔するように浮かんでるこの気持ちごとちぎれてく雲
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あの会話いつだったのかも忘れててもういっかっていつかっていつ
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水面のバニラアイスに手を振った 乗せた氷の行方も知らず
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しゅわしゅわの炭酸らしさの夢を見て たださやわかに爆発してく
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花手折る盗人のことを褒めている選んでいるだけお前は偉いよ
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深夜便 夢から夢へはしごして 歩き疲れてまた眠り込み
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春服と 冬服重ね もう五月 季節感は まだこれからだ
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もう戻らないものがすべて せめてもの抵抗としての文字の整然
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歯車の数千が回る目の前のあらゆることが余りにもわかる
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無理やり詰め込んだ想いの外装ぐらいはちゃんと規格通りに。
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冷える夜に扇風機から流されるアロマジュエルの良い副流煙
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