終電後の世界では ほんのわずかだけど嘘の濃度が低い
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ハロウィンの人混みの中もういない君がひょっこり現れないかな
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君の夢聞かせてくれと言うけれど三秒ごとに変わっていきます
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誰一人五線譜読めず 祝福はステンドグラスと讃美歌の中
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長皿を登場させて焼くサンマ厚岸産の上々の型
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患者ひとに揉まれ 帰りし家の静かさと 君のボソボソ声が好きだよ
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君の方から話してくれたのに あまりにもそっけなくしてごめん
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学校に着くや否やで僕を祝う君 backnumber沁みない 全く
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きっとまだ告白するの早過ぎる君を見つけてカクレミノ術
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さむいねと言って紅葉を踏みしめる 叶わぬ恋をどこに埋めよう
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望月をながむる君を垣間より見れば思ひのす夕べかな
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街角に異形の充ちて何者もこの祝祭を統率しない
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来客に撫でてもらってごろごろと喉鳴らしてる猫かぶるかよ!
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電話はね かける分は平気なの かかってくると 防戦一方
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さすがとは 至極便利な褒め言葉 咄嗟のときもどなたにも良し
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いいことがあるらしいけど十二月まで死なないで生きられるかな
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野菜庫をリセットする日に食材のるつぼの様なお好み焼き焼く
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鮟鱇の甘い誘いに酔ったまま喰われてもいいどうせ死ぬなら
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「性」って ほかの社会生活と ちがうレイヤー(層) いまだわからん
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満員の電車を降りる時にだけできる優しさ由来の花道
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犬猫が餌もらうのを待つように我も待ちたり定食屋にて
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からだから はじまるあいも あったなら そんけいしますも あるのかじゃにーず /働き蜂も女王蜂もメス
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店長が無言でくれたぬいぐるみ あのゲーセンは学習塾に
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愛想笑いまだまだできぬ女子高生どうかそのまま時よ止まって
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夕闇に保育園から響く声駅から出された我らを清め
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ハロウィンの魔法によって捨てたゴミ迷わず君の自宅に届く
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この前はラムネ、昨日は金平糖 どの味できみと口火を切ろう?
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お手、伏せ、待て しつけてくれよ これ以上夢中になってしまわぬように
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黒猫は魔女の使いと云ふけれど 江戸の世にては 病魔祓う猫
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雨の日の朝らしくない空が好き、出来損ないの私みたいで
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